第2章14話:2階と寝室

俺は尋ねた。


「2階は何に使うんだ?」


「2階は執務室しつむしつと、居住きょじゅうスペースがありますわ」


「ほう……」


実際に、2階にあがって確認してみる。


部屋は3つある。


1つは執務室。


1つはリビング。


1つは寝室だ。


家具は最低限しか置かれていない。


「今日から、あなたはここで泊まるといいですわ」


とキルティナが提案してきた。


「寝泊まりできる場所があるのは、ありがたいな」


俺は現在、宿屋に部屋を借りて泊まっている。


なけなしの路銀ろぎんを切り崩しての生活だから、きつかった。


今日から、この寝室で生活するとしよう。







その日はいったん解散となる。


夜。


2階の寝室。


寝室は、


ベッド、


丈の低いテーブル、


サイドテーブル


……しかない、閑散とした部屋である。


俺は窓から外を眺める。


海が眺められる。


二つ月と、夜空の色を溶かした海は、暗く、美しい。


「今日から頑張らないとな」


と俺は思った。


開店までにやるべきことはたくさんある。


開店してからもやるべきことはたくさんある。


でも、忙しいことも含めて楽しみだ。


俺は、明日からの生活に期待を膨らませながら……


ベッドに入り、眠りについた。




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