第2章13話:店内の構造

「おお……」


店内に入った俺は、感嘆かんたんの声をらす。


まず構造としては、


・カウンターとカウンター席


・中央テーブル席


・窓際テーブル席


……の三つに分かれる。


視界の左側が窓、視界の右側がカウンターといった構図である。





テーブル席は部屋の中央付近ちゅうおうふきんにある中央テーブルが2せき、窓側にはりつくように設置される窓際テーブルが4せきだ。


ちなみに窓からは海と、海向うみむこうの離島りとうが眺められる。


床は木製のフローリング。


壁はなかほどまでは木材もくざい、中ほどから上は白壁しろかべ


天井は白壁しろかべ


ほのかなあかりを放つ火魔石ひませきの入った照明ランプが、6つほど間隔かんかくをあけて天井から垂れ下がっており、店内を照らしていた。


「ホールはこんなふうになってるのか……」


良い雰囲気の店だ。


あれだな、天井にプロペラとか取り付けたくなる。


「一般庶民の方を相手に料理を販売するお店ですから、少し落ち着いた内装を意識いたしましたわ」


「……なるほどな」


キルティナの説明に、俺は納得の返事をする。


あまり上品すぎると大衆はとっつきにくくなる。


なので、さながら海の喫茶店きっさてんのごとく、庶民的な雰囲気を心がけるようにしたのだろう。


その配慮は悪くないと思った。


食器類しょっきるいはまだ全然ぜんぜんそろってないのか」


カウンターおくには、食器棚しょっきだなが置かれている。


しかし中身はからっぽだった。


「食器や什器じゅうきに関しては、あなたの裁量さいりょうで用意していただければと思いますわ」


「ふむ。了解した」


と俺は返事をする。


さらに言った。


厨房ちゅうぼうも見たいな」


「ええ。こちらですわ」


キルティナが案内してくれる。


カウンター奥に、扉が一つある。


その扉をくぐると、すぐに厨房キッチンがあった。


立派なキッチンである。


中央に大きな調理用ちょうりようテーブルが2だい、並べられている。


部屋のはしには、壁にはりつくように台所だいどころ炊事すいじ鍋炊なべたようのかまど、パンようのかまどなどがある。


「いいな」


と俺は素直に感想をこぼした。


さらにキッチンには三つ扉があった。


1つは、いま来た扉。


1つは、裏口に続く扉。


1つは、廊下に続く扉。


廊下にはさらに、風呂、倉庫、そして2階へ続く階段がある。


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