第2章11話:島と海ばかりの異世界

<ラング視点>


この王国は、ほとんどが島で出来ている。


たくさんの島々が点在する海を【多島海たとうかい】と呼ぶ。


この異世界の多くの国が多島海たとうかいであり、島と海だらけなのである。






国のほとんどが多島海たとうかいだとすると、料理界りょうりかいにどんなことが起こるのか?


そう。


魚を使った料理が豊富になる。


ほとんどの領土が海に面しており、りょうがさかんだからだ。


すると国民の食卓には、メインディッシュに肉よりも魚が登場する頻度が多くなる。


自然、魚を使った料理のレシピが開拓されていくわけである。







したがって魚料理は超絶激戦区ちょうぜつげきせんく


数多あまたの料理人たちが魚料理の店を経営して、日々、熾烈しれつな争いを繰り広げている。


異世界の料理界りょうりかいにおいて、魚料理を制することは、料理人としての頂点を極めるに等しい。


逆に、いくら肉料理にくりょうり野菜料理やさいりょうりせたとしても。


魚料理で結果を残していない場合、最強とは認めてもらえないのだ。







そんな異世界で、魚料理の店を出すということは……


必然的に、魚料理の戦国時代せんごくじだいに身を投じていくことになる。


もちろんそのことは、俺もキルティナも、わきまえている。


わきまえたうえで、それでも魚料理の店を出すことを、決断しているのである。





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