第1章2話:前世の記憶
そうして俺は、あてもなく島をさまよった。
なんとなくグレフィンド
――――そんなある日のこと。
ちょうど追放されてから10日後のことだった。
俺は、ぼんやりと海を眺めていた。
その浜辺で、とある女性と再会した。
「あら……あなた、もしかしてラング・グレフィンドですの?」
キルティナ・マイルローズという女性だ。
18歳。
身長162cmぐらい。
赤髪のツインドリル。
黄色い瞳。
高級そうなフリルブラウスとコルセット、ロングスカートに身を包んでいる。
「ああ、そうだ」
と俺は答える。
「やっぱり。久しぶりですわね」
とキルティナは告げた。
俺と彼女は、かつて学園に通っていたころの知り合いである。
「でも、どうしてこの島に? グレフィンド家の令息として、視察にでもいらしたのかしら?」
「……俺は、グレフィンド家を追放された」
「え?」
キルティナが首をかしげる。
俺は、キルティナに事情を説明した。
自分がグレフィンド家を追い出されたこと。
追放されるに至った理由。
「なるほど」
とキルティナは納得する。
するとキルティナは以下のように提案してきた。
「ならば、うちにいらっしゃいませんか?」
「……なに?」
「ちょうど、政治に明るい専属の執事を探していたところですの。
政治に明るい……か。
まあ、俺は貴族令息だったからな。
務まらなくはないだろう。
ふむ……
どうせ行くあてもないし、キルティナの執事として働くのも悪くないか。
俺は、その提案を受けようとした。
だが。
そのときだった。
俺は……
前世の記憶を思い出した!
かつて
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