1-3~策略巡る~

 旭炎キョクエン柏麟ハクリンは、続けて話している。


 旭炎キョクエンは、

「五年後、ともに上帝じょうていにならぬか?」


 柏麟ハクリンは、驚き、

「.........」

「今、なんと?」


「ともに上帝じょうていにならぬか?と言っているのだ」


「でも、上帝じょうていには、露風ロフウ上帝じょうていがいらっしゃる」

「それなのに、なぜ、我々が上帝じょうていになる必要が?」

「そもそも論、我々が上帝じょうていになる権限を持っているのか?」 


「しっ!!」

「皆に聞かれては、事が大きくなってしまう」

露風ロフウ上帝じょうていは、『神位しんい(神に付けられる位)』を大規模に改変しようとしているようだ」

「従者の司命シメイ帝君ていくんが言っていたから間違いない」

「実は、五年前まであった、『帝君ていくん』の一つ下の位『神君シンクン』は、書類上では一つ下の位と明記されるが、ほとんど、『帝君ていくん』の権力とは変わりない」

「つまり、『神君シンクン』という位を廃止したことで、『神君シンクン』の分の権力が『帝君ていくん』に集中してしまったのだ」

「それでは、また過去のようなことが起きかねない」


「『帝君ていくん』という位の神を増やせばいいのでは?」


「我もそこを疑問に思い司命シメイ帝君ていくんに聞いてみた」

司命シメイ帝君ていくんが言うには、上帝を三神制にすることで、上帝じょうてい帝君ていくんを監視し、私利私欲に走るのを予防することができると仰っていた」


「ほう。なるほど」


「そのような目的であれば、神になったばかりでよそ者で強いそなたが適任だろう」


 

「貴方たち、なぜ授業を放棄しているのですか!?」

 おばさんのような声が聞こえる。


 旭炎キョクエンは、ひそひそ声で

「あれは、教育係のしょうだ」

司命シメイ帝君ていくんは、お忙しいから幼き神の教育を時々しょうがやることもあるのだ」

「つまり、『幼き神の講師となる』ということは、『しょうに雇われる』と同義だと、知り合いが言っていた」

しょうとは、何度も話したことはあるが、我とは気が合わぬ」


「さっさと、授業をしろ!!」


「わかりました」

 旭炎キョクエン柏麟ハクリンは、それぞれの持ち場に戻った。

==========

※言い忘れていましたが、「司命シメイ帝君ていくん」と「星命セイメイ帝君ていくん」は、別の神です。

司命シメイ星命セイメイを混同しないようお願いします。

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天界神書〜神々の物語〜 桃 璃香 @tao-xiang

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