第12話 空間魔法は便利魔法!

 今日も今日とて、レッツ魔練っ!!


 しかし、今日は午後からお母さんによる礼儀講座があるため、午前中までだ。

 一応僕も貴族の端くれとして、礼儀を知っておかねばならないのだ。



 さて今日は、神・空間魔法の練習だ。


 この魔法、30年前までは全く使えない魔法として有名だったのだが、今では人気魔法上位をキープしている。

 その要因となっているのが、30年前突如として現れた、瑠璃るり色剣術創設者、『空間魔法の革命家』こと、ルイ・ヒサカタという人だ。


 彼が現れてから、空間魔法の認識が大幅に変わった。

 元々、空間魔法は長距離転移に使われており、消費魔力が多い&魔力制御が難しいと言われており、さらに術完成までに時間がかかるとして、適性があったとしても、誰もが使うには難しい魔法だった。


 それをルイ・ヒサカタはくつがえしたのだ。

 彼特有の術式構成によって、短距離の転移なら早く術式を完成できるようにしたり、空間に切れ目を入れることで、敵を切ると言ったような魔法を次々と誰でも使えるように開発した。


 僕が空間魔法で取り組んでいるのはその中の一つ短距離転移だ。


 《今日は、短距離転移の安定を目標にしていきましょう!》


(よっしゃ!張り切っていこう)


 短距離転移とは、空間魔法でこの場の空間を把握し、自分が行きたい場所の空間と今、自分がいる空間を繋げる魔法だ。


 この短距離転移は、実践で敵との対戦中を想定しているので、素早くコンマ数秒で転移を成功させる必要がある。


 これが難しい。

 今、僕は10秒まで縮めれてはいるが、もっと縮めなくてはいけない。

 ここでも、僕の処理能力や、魔制御力の低さが関係してくる。


 僕は、魔力量だけに関しては、この世界のトップクラスに立ってはいるが、なにぶん魔力を扱って半年程度の素人なのだ。

 むしろ、半年でよくここまで扱えるようになったと褒めて欲しいまである。


 僕はこの後、黙々と空間と空間を繋げる速さを意識して、素早く転移するという作業を繰り返した。

 幸い魔力は、沢山あるので魔力切れの心配はない。


 気づくとあっという間に日は真上に登った。


(いやー、魔法使ってると、時間が経つのもあっという間だよね)


 《今日は、いつも以上に集中できてましたね。今日だけで一秒も縮めることができましたよ!》


 僕は、魔法の修行を1度やめて、お昼ご飯を食べに屋敷の食堂に、向かった。


 僕の家は、辺境貴族ということもあり、かなり大きい。

 食堂に行くと、給仕長のアーダさんがいた。


「あら、坊っちゃま。お昼ご飯ですか?」


 アーダさんは、茶髪ロングで、ちょっとぽっちゃりしている。

 しかし、その体からは考えられないほど素早く動く、給仕歴30年の歴戦の給仕長なのだ。


「うん!この後お母さんと礼儀講座するから、その前にね。今日は、なにかな?」

「はい。今日は、長巨大な野生のブオーノムッカが取れたので、ブオーノムッカのタリアータとパンとスープになります」

「え!?ブオーノムッカ取れたの?」


 ブオーノムッカとは、簡単に言うと、超強い巨大な牛だ。

 大きい個体だと体長50メートルを超える個体もいるほど巨大な牛だ。

 なので、力も強く、皮膚も硬く分厚く、討伐することすら困難な高級食材だ。


「後で、ロイエース様にお礼を仰ってください。ロイエース様が凍らせた状態で持ってきてくれたおかげで、鮮度よく解体出来ましたから」


 ロイエースとは、グラナータ家長男で僕の兄である。

 髪はお父さんにそっくりな真紅の髪に前髪の一部が青白く変色している。

 背は、180cmぐらい、貴公子イケメンである。

 ファンクラブもあるとか無いとか…


 ナイスにいに。ありがとう!!






 僕はご飯を食べ、少し休憩した後、お母さんが居る部屋に向かった。

 それにしても、美味しかった。

 料理長の腕が光った最高の1品であった。


 コンコン


「お母さん、来たよー」

「はいはい、カギ空いてるから入っていいわよ」


 僕は扉を開き中に入る。


 中に入ると、丸いテーブルとふたつの椅子が用意されており、ひとつの椅子にお母さんが座っていた。


 僕の母は、レジーナといってエルフだ。

 黒髪ロングで、ストレートに下ろしており、髪の間から、尖った耳が見える。

 高貴なオーラを醸し出しており、王族と言われても不思議ではない雰囲気がある。

 今は、妊娠中のためお腹が膨れた状態で座っている。


「よく来たわね。今日は、礼儀講座よね。最近、魔法に夢中みたいだけど貴族たるもの礼儀もしっかりしないとね」

「はーい」


 それから、僕は母の厳しい礼儀講座を生き抜いた。

 途中、アカさんが感嘆の声を上げ、どうしてこんな古代の礼儀作法まで知っているのかと不思議がっていたが、おおむね順調に進んだ。


「はぁー、疲れたぁ」

「お疲れ様、よく頑張ったわね」


 本当に、疲れた。

 なんで貴族は、あんなにも礼儀を覚えなければならないのか…

 挨拶の種類多すぎだし。


「まぁ、まだまだ頑張らないとね!礼儀作法も、試験で出る範囲だからね」


 ん???

 試験!?


「お母さん、今試験って…」

「そうよ。スペランシアー王国の子供は基本、12歳から王都の学校に通うの。その時の筆記テストに出るのよね、礼儀作法って…」


 なに!?

 遂に来たか、この時が…

 僕のダラダラスローライフが…


「何とか、学校に行かなくていい方法とかは…」

「無いわよ。私とお父さんも学校に行かせるのは賛成派だから、どう足掻いても無理ね!!さっ、受験勉強頑張りましょ!!」



 いやぁぁぁ 今日も今日とて、レッツ魔練っ!!


 しかし、今日は午後からお母さんによる礼儀講座があるため、午前中までだ。

 一応僕も貴族の端くれとして、礼儀を知っておかねばならないのだ。



 さて今日は、神・空間魔法の練習だ。


 この魔法、30年前までは全く使えない魔法として有名だったのだが、今では人気魔法上位をキープしている。

 その要因となっているのが、30年前突如として現れた、瑠璃(るり)色剣術創設者、『空間魔法の革命家』こと、ルイ・ヒサカタという人だ。


 彼が現れてから、空間魔法の認識が大幅に変わった。

 元々、空間魔法は長距離転移に使われており、消費魔力が多い&魔力制御が難しいと言われており、さらに術完成までに時間がかかるとして、適性があったとしても、誰もが使うには難しい魔法だった。


 それをルイ・ヒサカタは覆(くつがえ)したのだ。

 彼特有の術式構成によって、短距離の転移なら早く術式を完成できるようにしたり、空間に切れ目を入れることで、敵を切ると言ったような魔法を次々と誰でも使えるように開発した。


 僕が空間魔法で取り組んでいるのはその中の一つ短距離転移だ。


 《今日は、短距離転移の安定を目標にしていきましょう!》


(よっしゃ!張り切っていこう)


 短距離転移とは、空間魔法でこの場の空間を把握し、自分が行きたい場所の空間と今、自分がいる空間を繋げる魔法だ。


 この短距離転移は、実践で敵との対戦中を想定しているので、素早くコンマ数秒で転移を成功させる必要がある。


 これが難しい。

 今、僕は10秒まで縮めれてはいるが、もっと縮めなくてはいけない。

 ここでも、僕の処理能力や、魔制御力の低さが関係してくる。


 僕は、魔力量だけに関しては、この世界のトップクラスに立ってはいるが、なにぶん魔力を扱って半年程度の素人なのだ。

 むしろ、半年でよくここまで扱えるようになったと褒めて欲しいまである。


 僕はこの後、黙々と空間と空間を繋げる速さを意識して、素早く転移するという作業を繰り返した。

 幸い魔力は、沢山あるので魔力切れの心配はない。


 気づくとあっという間に日は真上に登った。


(いやー、魔法使ってると、時間が経つのもあっという間だよね)


 《今日は、いつも以上に集中できてましたね。今日だけで一秒も縮めることができましたよ!》


 僕は、魔法の修行を1度やめて、お昼ご飯を食べに屋敷の食堂に、向かった。


 僕の家は、辺境貴族ということもあり、かなり大きい。

 食堂に行くと、給仕長のアーダさんがいた。


「あら、坊っちゃま。お昼ご飯ですか?」


 アーダさんは、茶髪ロングで、ちょっとぽっちゃりしている。

 しかし、その体からは考えられないほど素早く動く、給仕歴30年の歴戦の給仕長なのだ。


「うん!この後お母さんと礼儀講座するから、その前にね。今日は、なにかな?」

「はい。今日は、長巨大な野生のブオーノムッカが取れたので、ブオーノムッカのタリアータとパンとスープになります」

「え!?ブオーノムッカ取れたの?」


 ブオーノムッカとは、簡単に言うと、超強い巨大な牛だ。

 大きい個体だと体長50メートルを超える個体もいるほど巨大な牛だ。

 なので、力も強く、皮膚も硬く分厚く、討伐することすら困難な高級食材だ。


「後で、ロイエース様にお礼を仰ってください。ロイエース様が凍らせた状態で持ってきてくれたおかげで、鮮度よく解体出来ましたから」


 ロイエースとは、グラナータ家長男で僕の兄である。

 髪はお父さんにそっくりな真紅の髪に前髪の一部が青白く変色している。

 背は、180cmぐらい、貴公子イケメンである。

 ファンクラブもあるとか無いとか…


 ナイスにいに。ありがとう!!






 僕はご飯を食べ、少し休憩した後、お母さんが居る部屋に向かった。

 それにしても、美味しかった。

 料理長の腕が光った最高の1品であった。


 コンコン


「お母さん、来たよー」

「はいはい、カギ空いてるから入っていいわよ」


 僕は扉を開き中に入る。


 中に入ると、丸いテーブルとふたつの椅子が用意されており、ひとつの椅子にお母さんが座っていた。


 僕の母は、レジーナといってエルフだ。

 黒髪ロングで、ストレートに下ろしており、髪の間から、尖った耳が見える。

 高貴なオーラを醸し出しており、王族と言われても不思議ではない雰囲気がある。

 今は、妊娠中のためお腹が膨れた状態で座っている。


「よく来たわね。今日は、礼儀講座よね。最近、魔法に夢中みたいだけど貴族たるもの礼儀もしっかりしないとね」

「はーい」


 それから、僕は母の厳しい礼儀講座を生き抜いた。

 途中、アカさんが感嘆の声を上げ、どうしてこんな古代の礼儀作法まで知っているのかと不思議がっていたが、おおむね順調に進んだ。


「はぁー、疲れたぁ」

「お疲れ様、よく頑張ったわね」


 本当に、疲れた。

 なんで貴族は、あんなにも礼儀を覚えなければならないのか…

 挨拶の種類多すぎだし。


「まぁ、まだまだ頑張らないとね!礼儀作法も、試験で出る範囲だからね」


 ん???

 試験!?


「お母さん、今試験って…」

「そうよ。スペランシアー王国の子供は基本、12歳から王都の学校に通うの。その時の筆記テストに出るのよね、礼儀作法って…」


 なに!?

 遂に来たか、この時が…

 僕のダラダラスローライフが…


「何とか、学校に行かなくていい方法とかは…」

「無いわよ。私とお父さんも学校に行かせるのは賛成派だから、どう足掻いても無理ね!!さっ、受験勉強頑張りましょ!!」



 いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

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