第6話 ステータス確認

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 名前:レン・ドル・グラナータ

 種族:半龍人精霊族ハーフドラコーンエルフ

 称号:邪神の呪いを受けし者、転生者

 魔法:神・結界魔法 (ユニーク)、神・召喚魔法、神・空間魔法、火魔法

【ユニークスキル】

 〈魂の柱廊アニマ・ストラーダ〉〈世界之禁書目録ワールド・インデックス

【スキル】

  〈計算Lv.1〉〈並列思考Lv.1〉


 ▼メッセージがあります


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 とりあえず、色々見たいがまず、メッセージを開いてみよう。

 僕は、メッセージの部分に意識を集中させる。


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 やあ、蓮殿。ハロです。

 ひとまず4歳おめでとう!!

 異世界生活は楽しんでいるかな?

 君のチートスキルも主神様と共に順調に開発中だよ。


 それと、君にひとつ言い忘れてたことがあってね。


 私の世界では、君のような白髪は、本来神から祝福されし者の証なのだけど、現代ではさっぱり忘れさられてしまってね。

 今では、残念なことに無属性の証として蔑まれているんだよ。

 そんな世界だから、君には少しばかり迷惑がかかると思う…。

 それに君の家は、由緒正しき守護龍の血族だからね。

 特に、そういう目で見られると思う。

 伝え忘れてて、本当にすまない。


 だから、今回お詫びとして役に立つスキルを与えておいた。

 役に立ててくてると嬉しい。


 その名も魂の柱廊アニマ・ストラーダ


 効果は、配下との間に魂の道ができること。

 それによって、蓮殿が配下にスキルを付与できたり、どこにいても配下と連絡ができるようになったりするんだよ。

 それに、配下が魔物なら進化先も指定できたりする。


 詳しい情報は、世界之禁書目録ワールド・インデックスに聞くといい。

 この世界のことなら、なんでも知ってるからね。


 あ、そうそう。酒呑童子しゅてんどうじ君も元気に頑張ってるよ。

 元々、身体能力任せの戦闘スタイルだったからか、順調に強くなってるよ。

 今は、いくら身体能力が高くても、魔法を使われると分が悪いという事で、魔法を上手く使えるように主神様が用意した師匠と特訓中なんだ。

 呪力とは違う魔力の扱いに少し戸惑ってるみたいだけど。


 まぁ、蓮殿は、蓮殿で楽しい異世界ライフを送ってくれているとうれしい。

 次に、こうやって話せるのは10歳の時かな?


 それまで、死なないで頑張って生き残って欲しい。

 それじゃあ、また今度。


 バイバイ


 ps.主神様が最近、妙に凝り始めたから、チートスキルは予想以上の出来になってると思うよ!


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 なるほど。

 とりあえずしゅんちゃんが元気そうでよかった。

 それに、チートスキルも想像以上のものが来そうだ。

 だが、しかし僕の髪にこんな秘密が隠れているとは…。

 家族のみんなは何も言わないから分からなかったな。

 ん〜、てかあえて触れなかったのかもな…。


 まぁ、そこら辺は後でお父さんにでも聞くとして、ハロ様の手紙に、次は10歳って書いてあるけど、10歳の時って何かあるのかな?

 これも後でアカさんに確認しとかなきゃ。


 一通り、ステータスを見た僕は周りを見る。

 既に、王女様は居なくなっており、子供の大半も居なくなっていた。

 アベル君は、隣で僕が確認するのを待ってくれたみたいだ。


「ごめん、アベル君。ちょっと確認が遅くなって」

「全然大丈夫ですよ!私が好きで待っていただけなので」


 な、なんていい人なんだ!!

 アベル=いい人っと。


 それにしてもさっきから騒がしい集団がいるなぁ。

 凄いだのさすがだのワーワー騒いでいる。


「ねぇ、アベル君。あそこの人達はなんであんなに騒いでるの?」

「ああ、アンジュー伯爵一派ですね。なんでも子供のエルト・アンジュー様がユニークスキルを持っていたとかで、騒ぎになってるみたいです」

「なるほど」


 確かに、ユニークスキルは、1万人に1人持ってるか持ってないかと言われてはいるが…それにしても騒ぎすぎじゃないか?


「それじゃあ、そろそろ僕達も行かない?僕は、この後お父様と合流して、玉座の間に行くんだけど、アベル君は?」

「私は、業務中の父にステータスの報告をして、別室で待っている母と一緒に家に帰ります」

「じゃあ、別れるまで話しながら一緒に行こうよ!色々話したいし」

「僕でよければぜひ!!」


 《あのマスターが、友達を作った!?》


 なにか、頭の中に失礼な言葉が響いたがそれを無視して、僕は部屋を出た。




 ※※※※※※※※※




 祝福の間を出た後、僕はアベル君と別れ別室にいた父と合流し、ステータスについて話した。

 ユニークスキルを2個も持っていることはすごいらしく、さらに魔法も4つも使えるということで、褒めて貰えた。

 僕とお父さんが、スキルや魔法について話をしていると、玉座の間の準備が整ったという知らせが来たので、直ぐに玉座の間に向かった…。



 向かっていたのだが、玉座の間に続く扉の前で事件が起こった。


 お父さんと歩いていると扉の前に、青い髪をした大人の女性と、僕と同い年っぽい青い髪の男の子が立っていた。

 近づいていくと、向こうもこちらに気づいたようで、青い髪の女性から話しかけてきた。


「よお、オニ。お前んとこの息子、ステータスどおだったよ?ん?」

「よお、アーヘル。俺の息子だぞ?無茶苦茶凄かったに決まってんだろうが。そういうお前のとこの息子はどおだったんだよ?あぁ?」

「ああん、こっちも凄かったに決まってんだろ」


 何故か、会った瞬間から、お互いメンチを切り出す2人の大人…。

 僕は、女性の横にいた青い髪の子の所まで歩いていき、どうもと挨拶をする。

 すると、向こうも困ったように挨拶を返してくれた。


「それはそうとよ、オニ。そっちのガキがお前の息子か?お前と違って、真面目ちゃんな顔してんじゃない」

「あ?なんか文句でもあるのか?」

「文句も何も、その髪色…。純血じゅんけつの子供じゃねえからだろ…。だから、あん時言ったろ。あの女はやめとけっ━━━━━」


 ドゴォォォォォン


「それ以上言うなら、マジで殺すぞ!!」

「はっ!上等だ、このヤロウ」


 えぇぇぇぇぇ!!お父さん!?

 話してたら、急にキラキラした炎を纏(まと)って相手に殴りかかってるんですけど…

 それに、相手さんもちゃっかり五角形の氷の結晶で拳をガードしつつ、氷で出来た細い針をお父さんの背後から数十本発射準備してるし。


 えーっと・・・ どうしましょう?


 僕達、子供勢がアワアワしている間にも話は進み


「レン、後ろに下がってろ。このクソババア、ぜってぇぶち殺す!!」

「ヴィザーム、お前も下がってろ。このクソジジイに引導を渡してやる」


 僕達2人は、親に言われた通り、大人しく2人で遠くに離れた。


「そう言えば自己紹介まだだったね!僕、レン・ドル・グラナータって言います。なんか大変なことになったね」

「ヴィザーム・ハン・ヴァッサーだ。よろしく」


 君が、ヴィザーム君か。

 僕と同じ四龍英雄テトラヘロスの子供の1人。

 てことは、お父さんと向かい合ってるのが四龍英雄テトラヘロスの一人、氷蛮拳士ひょうばんけんしと言われているアーヘルライトさんか。


 なかなか、インパクト強いな。


 《マスター。ちなみにあの二人が本気でやり合ったら、ここら辺が全壊する確率100%です》


(そんなのわかってるよ。だからって、僕にどうしろってんだよ…)


 僕とヴィザーム君は、ハラハラドキドキしながら、静かに2人を見守った。

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