Rotten flower

第1話

チャイムが鳴る。何も頼んでいないことを不審に思いながら出ると、前に箱が置いてあるだけだった。

人間というものは面白いもので怖いものほど興味を持つものだ。僕もそうだった。僕は箱を自分の家へと入れるとすぐさま開ける。中には気持ち悪い見た目の虫が11、2匹ほど入っていた。こういうものは慣れていた。箱に手を入れようとすると透明ななにかにぶつかる。虫も外に出ようとしているがこのなにかにぶつかっているようだ。

僕はそれからというものそれに対する観察を始めた。


一日目

虫同士が何個かのグループで固まって話し合っていた。いや、正確にはそういう風に見えた。

こう見ると箱の中身はとてもスカスカだった。


二日目

多分、僕の憶測になるのだが領土争いが始まった。醜い戦いは十秒で決まるものもあれば軽く五時間経ち冷戦状態になっているところもあった。でも、死体は出なかったのはこの虫たちが根に優しい部分を持っている証なのだろう。

僕らとは大違いだ。


三日目

少しずつ戦争が穏やかになっていきグループも一纏まりへとなっていったが、そのグループもどこかスカスカになっている部分があるようだ。まぁ、細かい隙間だが。

「あ。」

覗き込もうとするとバランスを崩した。箱に顔をぶつけたりすることはなかったが箱が少し赫に汚れてしまった。酷い汚れだ、さっき食べたものが全部出てきそう。出せるものなら出したいが。


四日目

一匹が酷く出たがっているようだ。壁に体当して凹みすらしない。こっちから開けようにもドライバーでも傷がつかない。この箱は謎ばかりだ。もしかしたら未来から届いたのかもしれないし、もしかしたら地球外生命体なのかもしれない。もしもそうだったら面白いが、餌を与えないで育つしもしかしたら植物なのかもしれない。

そういえば窓、全然割れなかったな。


五日目

一匹死んでいた、逆さまになって死んでいた。箱の真ん中で死んでいて、誰も目を向けようとしなかった。

酷く出たがっていたのはもしかしたらこの個体なのかもしれない。

「結局変わらないのか。」

そういうと、僕は縄を用意した。

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