第3話 呼び出し

面接官の蒼唯さんが言っていた通り僕はひしもちに通った。だが、メールは明らかに別件だ。その内容を要約しよう。

藍沢羅維さんへ

菱餅通りました。

しかし、あなたに色々なことを話さなくてはなりません。4月19日の16時、○○市××町の喫茶店△△で待ち合わせをしましょう。面接官の蒼唯を連れていきます。

社長より


はい。社長直々に呼び出しを喰らいました。びっくりして3度見した。ちなみにその呼び出された喫茶店は僕がよく行く喫茶店だ。クリームソーダが美味しい。炭酸は苦手だが、唯一あそこのクリームソーダは飲める。ていうか、その喫茶店人気だから、機密情報入ってたらまずくないか?まあ、言われた通りにするしかない。問題は私服か?スーツか?

多分スーツだろう。これで相手が私服だったら書いてないあちらが悪い。というわけでスーツを着ていこうと思った。2着持っていて良かったと思った。面接に着たものはクリーニングに出した。一応コロコロ(あの、、、ローラーみたいなやつ)をして、ソファに寝転がる。19日は明後日、明明後日の朝日は拝めないかもしれない。今日昨日で5年分の緊張を持っていかれたかもしれない。色々な仮説を考えてはシャボン玉のように消え、漠然とした不安だけだのこった。もう寝てしまおう、さっさと服を着替え歯を磨こうと思った。立ち上がると、よろけながらもタンスを、それが終わると洗面所、最後は布団にダイブした。もちろん固めの布団なので、痛かったが、そのまま僕の記憶はフェードアウトしていった。

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