面倒を回避するのもめんどくさい

良く寝たー!外は朝だね!どれくらい経ったかな?勘では数十年くらいかなー?50年もたってはないきがするけどね~。さっすがに天界との戦争は終わってないね。はっ!戦争長引いてくれないとまずいじゃん!どちらが勝ったにしろ僕が見つけられたら働かされるか殺されちゃう!どっちにしろ面倒なことになるよ~。でも何かするのも面倒だし~。はー、やだやだ。そのうちなんとかなるでしょ~。

おやすみー



【sideサタン】

憤怒の大悪魔サタン。肩ほどの血のように赤い長髪、人にはありえない黒白目、日に焼けたような浅黒い肌をした偉丈夫だ。彼は魔界を取り仕切る王のような存在であり、自ら戦線の最前線を突っ張る将軍のような存在でもある。そんな彼はとても現状に満足していた。


「実に素晴らしい!凡界に拠点を作ることができ、協力者もできた。大天使どもに我が憤怒をぶつけることができる!死ぬこともあり、奴らに負けることは実に腹立たしいが。そういえば、ベルのやつはどうしているのだろうか」


三十年前に凡界に行った同僚のことを思い出す。彼は創世以来ずっと魔界に引きこもり、何もしていなかったから、天使どもとの戦争、天魔大戦を機に書類仕事をさせていたのだが、ついに自主的に凡界に出向いたのだが…。帰ってこないし、死に戻りもしない。かといって凡界で奴の活躍を聞くわけではない。

「おい、サタン!俺と賭けをしないか?」

そう声をかけてきたのはマモンだ。抜群のスタイルに怜悧な瞳、金髪金眼。ありとあらゆる宝物を集めており、常に人の宝物を狙い、計算高くふるまうカラスのような女だ。

「お題はベルフェゴールがいつ帰ってくるか、だ。お、いいところに来た!レヴィアタン!お前も賭けろよ!」

ちょうど近くを通ったレヴィアタンに声をかける。彼女は顔が焼けただれたようで見るに堪えない。グレーの瞳で、ダークグリーンの髪は縮れてうねり、さして高くない背は猫背により低く見える。マモンは強欲の、レヴィアタンは嫉妬の大悪魔だ。

「な、なにを賭けるんですかぁ?」

「自身の秘蔵の酒はどうだ?俺は500年物のエンジェルズ・ハートをだすぜ?」

「ほう?マモン大きく出たではないか!ならば私は神殺しを出してやろう!」

「うええ!ほんきですぅ?ずっと大切に飲んでて一口もくれたこともないのに!」

「ベルのことを一番知っているのは私だからな!」

「え、い嫌!妾のほうが知ってる!え、えっと女神の涙を賭けるぅ!今からぴったり100年後!」

「大きくでたじゃあないかっ!なら俺は200年だ」

「ふはは!わかっておらんな!ベルは後二十年もすれば戻ってくるであろうよ!」

頼むから早く帰って来いよ…?

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