第14話 時代遅れの恋愛観
突然にも言い放たれた衝撃的な事実。この発言によって、
しかし、この証言が嘘でないことは、
「…………えっと、聞き間違いじゃなければ、俺が人々を救うって言ったか?」
「ちゅぅ、そう言いましたが、何か?」
啞然とした面持ちで戸惑いながら聞き返す
「いやいやいや、俺には無理だろ。イジメられてる奴も救えない、ただの根性なしだぜ」
「ちゅぅ、そんな風に言わないでください。僕にとって、
「じゃあ、聞くけど。どうやって人々を助けるのか、具体的に教えてくれよ」
「ちゅぅ……と言われましても、詳しい内容は明かすことが出来ません」
「できない? なんでだよ! お前は未来が予見できるキューピッドなんだろ。俺を導いてくれるんじゃなかったのか?」
「ちゅぅ。確かに、そうは言いましたが……。しかし、あまり深く言及してしまうと、未来が大きく変わってしまいます」
「じゃあ、どうすればいいんだよ」
「ちゅぅ、そのお話については、本当に申し訳ありません。ですが、1つだけ知っておいて下さい。もしこの計画が失敗すれば、沢山の人々が死に絶えるかも知れません」
「死に……絶える?」
「ちゅぅ。ですから、それを回避するためには、寄り添える相手が必要なんです」
加えて、こうした事情はさることながら、何よりも人々を救うにはある条件が鍵とされた……。
「寄り添える相手? それって、どういう意味だ」
「ちゅぅ。つまり
この発言で分かるように、未来をより良い方向へ変えられるのも事実。けれど、その事情を伝えてしまえば、状況を更に悪化させてしまう恐れがある。すなわち、恋を成就させなければ、日本という国は衰退し人口も減り続けるだろう。
それは同時に、人々の命が失われることを示唆していた。よって、伝えれないもどかしさを感じながらも、
「つまり……お前が探し出した相手と恋仲になれば、俺の未来は切り拓けるってことだな」
「ちゅぅ、その通り。理解が早くて、助かります」
「そっ、それで……その相手というのは、もう決まっていたりするのか?」
「ちゅぅ? 急に改まって、どうかされたのですか」
「あっ、いや……さすがにコミュ障の俺でも、選ぶ権利ぐらいはあると思うんだが……」
「ちゅぅ? もしかして、すでに相手がいたのですか?」
頬を赤らめながら、
「そっ、そ、そんな奴なんているわけないだろ! いないけどな、普通はお互いの事をよく調べてから…………それから、それからだなぁ……」
「ちゅぅ……まったく、どれだけ古いくさい考え方なんですか」
つまり、相手を知るために、時間をかける必要はないということだ…………。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます