第3話 メッセージアプリにて


メッセージアプリにて。


「次いつ会える?」


「ライブがない日でしたらいつでも空いてます」


「学校とか仕事とかの都合は?」


「大学生なので授業は休めます。バイトはしていません」


「バイトしてないの?」

➡5秒後 メッセージを取り消しました。


「ううん、なんでもない」


「実家が比較的お金を持っていて。脛をかじっています」


「聞きたくなかった……」


「じゃあ、大学へ遊びに行っても良い?」


「え。叶野さんって経済学に興味があるんですか」


「私はねむり(推し)じゃないんだから、サボるまでしてもらうのは悪い」と打ち込んだが、なんだか虚しくなり×のマークを押して文字を消していく。


「学費を払ってもらってるなら、きちんとしなさい」


 これも本心である。本音を隠したわけではない。


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