第3話 『献身』作:月宮雫

大空を目指す鳥のように

芝生を駆け回る子犬のように

僕は回っているのだと思っていた

君の笑顔は美しかった


火の輪をくぐるサーカスのライオンのように

大きな水しぶきをあげるショーのイルカのように

僕は回らされているのかもしれないと気づいた

君の笑顔は美しいのに


でも、それでも


回るのをやめたら僕は倒れてしまうから


どうか君の好きなようにしてほしい

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詩『コマ』 名古屋大学文芸サークル @nagoyaunibungei

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