その2.作品のテーマを無理矢理にでもひり出すには
さて、前回は「物語を作るにはアイデアが必要で、アイデアを出すには作品にテーマが必要」という話をしました。
で、作品にできるテーマをあらかじめ持っている、あるいはテーマを簡単に見つけ出せるのならなんの問題もなく、次のステップに進んでいいと思います。
でも、もし『自分の興味の持てることや書きたいことがテーマとして適さない、あるいはそもそもテーマにしたいような興味のあることがない。それでもお話を作りたい、あるいは作らないといけない』ときにテーマを設定するにはどうすればいいか。
今回は、それについて自分なりの方法を書いてみようと思います。
■ まず自分の作りたい物のジャンルや書きたい物などからイメージされるワードを列挙していく
列挙する数は何個でも構いませんが10個くらいが妥当でしょう。思い浮かばないようなら、好きな作品を手に取って、使えそうなワードを片っ端から列挙していっても構わないです。
とりあえず王道RPGを例にしてやってみましょう。個人的にそこから連想されるワードは
・剣
・魔法
・王様
・魔王
・城
・エルフ
・ドワーフ
・ホビット
・ゴブリン
・鎧
とりあえず、こんな感じで。どうしても10個出せそうにないなら、適当なところで打ち切って構いません。
もし、この時点で「これだ!」というキーワードが見つかったら、それをテーマにしてしまって構いません。例えば「城」をテーマにして1作なにか作れそうなら、それで決定してしまってOKということです。
もしピンとくるワードがない場合、次に進みます。
■ 列挙したワードからキーワードを1つピックアップする
次に、出した複数ワードの中でより自分が話を書けそうなものをキーワードとして一つピックアップします。
どれか選びきれない場合は、とりあえず一番上の物をピックアップするのがいいでしょう。そのワードは真っ先に思い浮かんだということであり、それだけ思い入れがある可能性が高いからです。
自分はとりあえず、敢えて「エルフ」を選んでみたいと思います。
■ ピックアップしたキーワードから思い浮かぶワードを列挙していく
最初の手順を、今度はピックアップしたキーワードに対して行います。
「エルフ」から思い浮かぶワードは
・美しい
・不老長寿
・精霊魔法の使い手
・ベジタリアン
・細身の剣
・耳が長い
・少数
・ドワーフと仲が悪い
・森に住んでいる
こんな感じで。
■ 再度、出したワードから1つピックアップ
考え方は先ほどのピックアップ時と同じです。ただ、例えば「城」をテーマと考えるより、「不老長寿」「精霊魔法」とかのワードのほうがテーマにしやすくはないでしょうか?
もしホントにテーマにできそうなら、そうしてしまって構いません。
もしまだムリそうなら、ピックアップしたキーワードからさらに別のワードを列挙して検討。それもダメならさらにそこからピックアップ、そして検討と、テーマが見つかるまで繰り返します。
ちなみに、例えば王道RPG->エルフ->不老長寿と進み、不老長寿から思い浮かんだキーワードを列挙するときに、エルフと関係ないものを列挙しても構いません。つまり王道RPG->エルフ->不老長寿->仙人という流れで列挙・ピックアップが進んでもOKということです。
また、キーワードからテーマを検討する際に、他のキーワードを混ぜても構いません。つまり例えば「不老長寿」+「城」とか「精霊魔法」+「ゴブリン」とか、そんな感じで二つを混ぜて出てきたイメージをテーマにしてもOKです。
詰まるところ、テーマを見つけられるのなら一連の流れを厳密に守らなくても構わないというわけです。
ちなみにこの手法に慣れると、わざわざ単語を列挙するまでもなく単語が次々と浮かび、テーマとアイデアが浮かんでくるようになります。
例えば拙作「劣等スキル持ちで転生者学園を追放~」の場合、出発点になったのは某有名ラノベ産アニメを見ているときに出てきた「ありふれた職業」というワードでした。そこから「農民」「商人」というワードが連起され、その職業で魔王討伐を成り立たせるにはどうするか考えた時に「鍛冶士」「鑑定士」のワードが連起。あとはその4職を組み合わせて話の構成を練っていった感じです。
ちなみに「劣等スキル持ち~」の主人公は最初「農民」だったんですが、話を構築しているうちに「鑑定士を主人公にしたほうが面白い」と気づき、練り直したりしましたw
次回は、テーマからアイデアを出す基本的な考え方をまとめようと思います。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます