その1.作品にはアイデア、そしてテーマが必要

『マンガには絵が必要だが、言葉だけ並べても会話にならないのと同じように、マンガには絵だけではなくアイデアが絶対不可欠』


 前回挙げた『マンガのかき方全百科』では「初めは簡単な絵でいい」という話から始まり、その次にいきなりこれが来ます。大体の入門書がアイデアの説明を最初は避けるのに、しびれますw


 では、この『アイデア』とはなんでしょう?


 全百科ではそれを『企て』と定義しています。つまり、読者を納得させたり、笑わせたり、感動させたりするための『企て』がアイデアだと。


 そして、『企てさえあれば一コマの絵でもマンガと言えるが、それがない作品に読者が偶然感動したり笑ったりしたとしても、それはマンガとは言えない』とまで言い切っていたり。かなり理論派的な考え方だと思います。


 といっても、令和の時世では書きたい流れを書きたいように書いてそれが圧倒的にウケるのが主流であり、この『企て至上主義』的な考え方に傾倒するのは危険かもしれません。それでも理論的に話を書く人にとってはかなり理解しやすいかと。



 とはいえ「いや、アイデアが必要なのは言われるまでもなくわかるけど、それが中々出ないから困ってるんじゃん」と思った方は少なくないでしょう。


 全百科の主人公も「アイデアが大切なのはわかったけど、どうしたら出せるかがわからない」という問いを投げており。それに対して作中の講師が「どんなマンガを描くか考えずにアイデアは出ない」そして「どんなマンガを描くかが決められないのは、テーマを持っていないから」と答えています。


 全百科の中でテーマは「こんなマンガを描きたいとか、こういうことをマンガにしたいとか、そういう指針」と定義。テーマさえ見つけられればマンガは自然に描ける、と書かれています。


 では、そのテーマはどうすれば見つけることができるでしょうか?


 全百科では「まず自分がなにに興味を持っているかを考える」としています。そして「欲張って自分のよくわからないことをマンガにしてはいけない」とも。



 さて、ここから以下は私論となります。


 自分に興味の持てることをテーマにできれば幸いなのですが、特にマンガ以外のジャンルではそう上手くいかないことはままあると思います。


 例えばRPGのシナリオを作りたいのに、興味のあることがゲーム制作であったり、ゲームプレイであったりとかした場合。それをテーマとするのは難しいところがあると思います。せめてスポーツだったら例えば異世界バトルサッカーみたいな新境地を開けるかも知れませんがw



 次回は、興味の持てないことでもどうにかテーマを捻り出す、自分なりの方法を書いてみようと思います。

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