第50話 カップリング・ラブソディ1

登場人物 

 来栖 七海のクラスの担任教師(♀)

 七海 悩める中学二年生




「え……」


 これはどういう意味なの?

 登場人物の女の子は七海くんで、告白した相手も同性ってことは……。


 男×男――ッ!?


「Oh,men……」


「おーめん?」


「おー……、ごめん! つ、続けて……」


 私は動揺を隠せませんでした。


 だってここは華の男子校なのです。

 つまりこれはボーイズラブな悩みなのです。 

 何を隠そう実は私は腐女子なのです。


 可憐な男の子たちを眺めて妄想することが至福でした。

 勝手に生徒たちをカップリングして楽しんでいました。そのためだけに男子校に就職しました。

 妄想するだけが限界だったのに、まさか実際に望んでいた展開イベントが発生するなんて!

 

 うひょーッ! イエス! イエス! ふんがふんがっ!!


 拳を振り上げそうになった私は我に帰りました。


 ハッ!? いけませんわ、取り乱しちゃダメよ来栖! 落ち着いて、あなたは教師なの、みんなに優しくて綺麗な美人教師の来栖先生なんだから……。


「先生は同性同士の恋愛ってどう思いますか?」


「大好物よ」

 

 キリッと答えた私に七海くんはキョトンと目を丸くさせます。


「え? 大好物って?」


「んっんー、だたの空耳よ。『die comes you(だいこぅむずよぉー)』って言ったの」


「オレ死ぬんですか!?」


「違うわ、この場合は自分自身に言ったの」


「え? 先生、死なないでくださいね??」


 七海くんは困った顔で首をかしげます。


 よし、なんとか誤魔化せた!


「大丈夫、いまリアタイでせいを実感しているところだから」


「は、はあ……」

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