第23話 勝手なイメージ
登場人物
七海 中性的な顔立ちの少年
和泉 見た目は俺様系イケメン
氏家 和泉に告白した少女
「俺たちはまだキスしたことがない。そういうのは大切にしたいだろ?」と、もっともらしいことを和泉は言った。
なんだこいつ、カッコイイな……。
これにはさすがの彼女も反論できなかったようだ。
悔し気に下唇を噛みしめた。
「それなら彼の好きなところを言ってみてよ」
ズイッと詰め寄られたオレは言葉に詰まってしまう。
「なによ、言えないの?」
ここは下手なことを言っても仕方ないな。素直に思ったことを言うしかない。
「和泉はさ、単に女嫌いなんじゃなくて見かけよりもずっと臆病なヤツなんだ」
「はあ?」
ネガティブな発言は想定外だったのだろう。氏家さんは眉根を寄せた。せっかくの可愛らしい顔が台無しだ。
そんなことを考えつつオレは続ける。
「見てのとおり顔が良いからモテるんだよ。今まで何人かと付き合っていたことも知っている。でも付き合っても長続きしなくてさ。こいつは元カノから別れを切り出されるときに決まって言われるそうだ。『付き合ってみたら想像と違った』『なんか違う』ってさ。でもそれって自分が勝手に作り出したイメージを勝手に押し付けてるだけだろ?」
彼女は否定も肯定もせずに黙って聞いていた。
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