第22話 キス
登場人物
七海 中性的な顔立ちの少年
和泉 見た目は俺様系イケメン
氏家(うじいえ) 和泉に告白した少女 中学二年生
「なんかさっきから、あやしいんですけど……。和泉くんに頼まれて彼女のフリしてるだけなんじゃないの?」
「……っ!!」
いよいよ、ボロが出そうになったそのときだった。
疑いを向ける彼女の視線からオレを守るように和泉がオレの前に立つ。
「俺と七海は付き合っているし相思相愛だ。約束通り彼女を連れてきた。もうこれでいいだろ? わるいけど、俺のことはもうあきらめてほしい」
おう……。
男なら一度は言ってみたい(オレの中で)セリフ第5位を和泉は恥ずかしげもなく言い放った。
オレもいつかこんなモテ男のセリフ一度は言ってみたいものだ。
しかし、なんだ。こんな美少女にこれだけ好かれているのだから付き合ってみればいいのに……。物怖じしないでグイグイくる彼女は女子が苦手な和泉には合っている気がする。
ここはひとつ、友人として彼女との仲を取り持ってあげるべきなのではないだろうか?
なんて、余計なことに頭を巡らせていたら――、
「じゃあキスしてみせてくれる? 本当の恋人同士ならできるでしょ? それであきらめるから」
「キッ! キス!!」
すっとんきょうな声がオレの口から飛び出した。
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