第21話 ふわふわ
登場人物
七海 中性的な顔立ちの少年
和泉 見た目は俺様系イケメン
氏家(うじいえ) 和泉に告白した少女 中学二年生
「氏家さん、この子がこの前言った俺の彼女だよ」
手を離した和泉が、少女にオレを紹介する。
オレたちと同じ中学二年生だという少女は、近くで見るとさらに可愛かった。
うちの学校にも男子から人気の女子はいるけどレベルが一つ二つ違う。雑誌のグラビアを飾れるほどのとんでもない美少女だ。
それに髪もふわふわしていてなんだか良い匂いがしてくる。でも、おしとやかな外見とは裏腹に眼光は鋭い。
「どうも、和泉の彼女です」
オレはなんの捻りも面白味もない自己紹介をする。
軽く会釈して挨拶すると、彼女は腰に手を当て片方の眉だけを器用に釣り上げた。
(うわッ、こわわぁ……)
「あなた、ホントに和泉くんの彼女なの?」
いきなり核心を突くような質問だ。出会い頭に疑われると思っていなかったオレは動揺する。
「まあ……、そうなんだけど……」
曖昧な回答に氏家さんの顔がさらに険しくなる。
「まあ? そうなんだけど? それくらいの気持ちなら彼を私に譲って」
「そ、そんなことないよ」と慌てて否定するが彼女はお構いなしにオレとの距離を詰めてくる。
「あなた、和泉くんのことホントに好きなの?」
「すっ!? す、すすす、好きだけど……」自分で言ってて恥ずかくなる。顔が熱くなっていく。
「なんで即答できないの? その程度の気持ちなら私の方が彼を幸せにできる」
(……なんなんだこの子は、本当に同じ中学生なのか?)
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