第〇二鍵:アルベルト戦闘指南書

第〇二鍵:アルベルト戦闘指南書


「キユスくん、イエクくん、

 何故、世界のモンスターは五属性に分かれているかお解りかな?」

「はいはーい!」イエクが挙手。

「どうぞ、ご回答を」促すアルベルト。


「モンスターには、得意/不得意があるからでぇす!」

「ほほう、例えばどのような?」


「ううん、【火属性】のフレイムサイコロプスは

 メラメラ燃えているから【水属性】には属せない、とか?」

的を得た回答をして満足気なイエク。


「いかにも、その通りですじゃ。

 ではでは、キユスくん。赤鍵のみ所持している時に

【水属性】のモンスターに遭遇したらどうしますかな?」


「ええと、不利属性だけど頑張って応戦して

 TKO後に自動LOCKするのを待つ、とか?」

「素晴らしい! 完璧な模範回答ですぞ!

 不利属性の知識及びに、自動LOCKの知識。

 正に、非の打ち所がない回答といえますな!」


少年たちは連続正解に気をよくする。

「じゃあさ、三人でいってみようよ。

【水属性】がうようよ居る校区外とやらに」

図鑑埋めたさに、うずうずするキユス。

「ううん、不利属性だって自分でいってたじゃんか!」

絶対に不利な戦闘は避けたいイエク。


「わたくしも校区外までお誘いする訳にはいきませぬ。

キユスくん、イエクくん、

もう一度フレイムサイコロプスに挑む覚悟はおありかな?」

「ううん、僕は……嫌、かな……」

「なんでだよう、ぶっ倒そうぜ、ヤタクロウズで!」


YATACROWSの固有名詞が出て慌てる老紳士。

「それは、わたくしめに戦え、と?」

「ううん、それもよくないような……」

「無理だよう、15歳の二の腕であのこん棒に耐えろってか?」


「わたくしが倒して何の肥やしになりましょうぞ」

「ううん、確かに意味ないかも……?」

「勝てないってえ。勝てねえよう」

「よく解ってんじゃねぇか、小僧」


フレイムサイコロプス再登場! 戦意消失の少年LOCKERS.

「あわわわわわ……。許してくんせえ、許してくんせえ!」

一応、謝ってみるキユス。イエクも土下座の構え。


「しょうがありませぬな。サイコロプスどの、勝負いたそう!」

「爺さんが又、しゃしゃり出るのかよ!

 まぐれは二度ねぇぜえ?」

「ううん、まぐれじゃないと思う……」

アルベルトが味方だから、だんだん強気になって来たイエク。


「こけにしくさってえ! うらあ、喰らえええええ!」

こん棒を乱暴に振り回すフレイムサイコロプス。

完璧な身躱しで回避するアルベルト。

イエクが同属性のモンスターをUNLOCK!

「火口、火鼠、いって来い!」

火口=ヒグチ(火口、噴火口とも意味が異なる)。

『ANDYMOUTH』(若しくはMOUSE)

『LOVERAT』が開錠された。


ANDYMOUTHのドル札紙吹雪+着火!

火の紙吹雪がフレイムサイコロプスに襲い掛かる!

……しかし、同属性故に効果がない。

LOVERATの献身的な愛情を投げつけた!

(BURNING HEART!)

……しかし、同属性故に効果がない。

不利属性ならもっと凄惨だ。噛み締める少年イエク。

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