第19話

「そんなわけないです!」

大きな声を出していたことに自分でも思ったけれど心の底から出た言葉だった。

「すみません、でも優香はついこないだまで僕たちと楽しく過ごしていたんです。自分で死ぬなんて、そんなわけないんです、、」

「今日はお辛いかと思うのでまた日を改めて話を聞かせてください」

そういって刑事さんは僕たちにそのまま自宅へ帰るように伝えた。

そんなわけないと伝えても刑事さんの表情は一切変わることはなくてやっぱり事実なんだと突きつけられる。


家についてからは姉とも誰とも話すことなく部屋に篭った。

部屋の中で、泣き続けた。

スマホの中には3人で撮ったたくさんの写真、和馬の試合や文化祭、カフェでの写真と色々な思い出がそこには詰まっていた。


優香に言われて撮った映画を見に行った時のツーショットを見ながら遺書の中にあった大好きと言う言葉が頭の中を巡る。

僕は優香のことが友達として好きだったし優香もそうだと思っていた。もしかしたらそうじゃなかったのかもしれない。

それも今となっては分からなくなってしまったし、優香に聞くとも出来ない。


本当の意味で過去のものとなってしまったこと。これからはこの写真が更新されていく事はない事実にただ涙を流した。

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