第18話
しずくへ
しずくとは三年生になって一番最初に話したね。
今でもあの時声かけて良かったなって思ってるよ。
しずくはあまり好きじゃないって言ってたけど私は海瀬しずくって名前がすごく好き。私の大好きな海が入ってるし名前を呼ぶたびに家族で行った海を思い浮かべたりしてたよ。
しずくのおかげで私の最後は楽しい思い出で溢れてたし、しずくと和馬のおかげで最後は夢にも向かおうと思えた。ありがとう。
結局説得はうまくできなかったんだけどね。
一度だけしずくに強く言っちゃったことがあったよね。あの時はごめんね。
私にとってしずくは自然でいられる存在だったし、自然な私のまんまでい続けたかった。しずくの知らないもう一つの私の生活を知ったら嫌われちゃうと思ってあの時は急に強く当たっちゃった。
もししずくがもう一つの私に気付いてたら、いや、もしかしたら気付いてたのかもしれないどっちにしても、いつも通りの関係でいれたからきっと楽しかったし。私はそれを壊したくなかった。
辛いことばかりだったけど最後はしずくたちとの楽しくて温かい思い出が胸にあるうち死ぬことができて私は幸せだったよ。
少し嘘をついちゃった部分もあったし、隠していた事もあってごめんね。
ずっとしずくのことが大好きだったよ。一緒に映画に行けて嬉しかったしあの時勇気を出して誘って良かったなって今でも思ってる。
こんな形で2人と離れる事になってごめんね。
私が一番2人との時間が続けばいいのになんて口にしてたのに私から離れる事になってごめんね。
でも私は、、、
最後の文を読もうとして涙が溢れかえった。
僕は優香のことを何も知らなかった。あんなに仲がいいと思っていたのに知らないことが沢山あったことを知った。
それに、僕が知らなかった優香は一体どんな事があったのかどんな辛いことがあってこんな事になってしまったのかわからずにいた。
隣にいた和馬も咽び泣いていた。
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