第15話

文化祭の準備も順調に進んでいって当日を迎える。

当日も3人で色々な出し物を見て回る。今までと大して変わらない内容なのに今までで一番楽しむことができている実感がある。

それはやっぱり2人が一緒だからなんだと心から思う。


僕たちのクラスは縁日をやる事になっていて、たかが縁日のはずなのに最後という事もあってやけに気合が入っているけど実際楽しめてたから別にいいかと思いながらシフトの順番で優香と一緒に縁日の受付をしていると優香が

「高校卒業したくないなー」

「わかるよ。特に最近は楽しいから尚更だよね。」

「うん。それにみんなと離れてまた1人になるのもやなんだよね。」

「大丈夫だよ、卒業しても会えるから!」

実際に僕は卒業してからも会いたいと思っていたし、実際に会い続けられるだろうなと思っていた。だから何の疑いもなくすぐに口に出していた。


「まあね!後私ね大学行く事にしたんだ!やっぱりカウンセラーになろうと思って!行くなら国立がいいんだけど!なお」

「いいと思う!優香ならなれるよ!」

「ありがとう!でもまだ親には言えてないから説得できればいいんだけど!」

「応援してるね!」


優香ならカウンセラーに本当になれると思っていたし、何より僕が相談するなら優香みたいな人に相談したいと思った。

たまに抜けてるのかななんて思う事もあるけど意外としっかりしてるしなにより話したいと思える雰囲気を彼女は持っていた。

でも、優香はたまにはしゃぎすぎるところがあるから相談を受けてそのくらい大丈夫だよとか言っちゃわないか心配になったけれど。


優香が何でカウンセラーになりたいのかは聞いた事がなかったけれどきっと何か理由があるんだろうなとは思っていた。

それにカウンセラーがどんな仕事をするのかもあまり僕にはわからなくて思い浮かぶのが学校に来るスクールカウンセラーだった。

優香は向いてるとは思うけれど、扉を開けたら優香がスクールカウンセラーとして椅子に座っていたら僕なら少し笑っちゃうかもそんなことを考えながら家へと帰る。

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