第6話

家に帰ってから姉ちゃんに今日あった出来事を何気なく話すと、「で、明日からはどうするの?」と聞かれ最初は何のことを言っているのかわからなかったがすぐにその重大さに気付く。


今日の出来事で鮎坂さんが一緒にいることが嫌になったているかもしれない、なら明日からはお昼も別で食べた方が良いのではと思う僕がいた。

「まあしずくが決めな〜」と無責任に姉ちゃんは答えて自室へと戻ってしまう。


どうしようかと考えているとLINEの通知が鳴る。

「明日の昼一緒に勉強しね?」

二年生の時のクラスメイトからだった。

どうやら去年仲の良かった数人で定期考査の勉強をしようとしているらしい。


少し考えてから「いいよ」と返信をする。

鮎坂さんとの事も気になったが、テスト前という事もあって深く考えることなく一緒に勉強することにした。


いつも通りの昼休みに僕が席を立とうとすると「今日は食べないの?」と聞かれたため「友達と勉強するんだ」と答えると「えーそっかー」としょんぼりした様子で鮎坂さんは前を向く。

その日はそれから鮎坂さんとは特に話す事もなく、学校が終わった。


「どうだったー?」姉ちゃんに急に聞かれて戸惑った表情をすると「今日のお昼!」と聞かれてやっと何のことだか理解する。

「友達に誘われたから一緒に勉強した」当たり前のように答えると「あちゃー」と姉ちゃんが言う。


「明日から気まずくなるぞー」

と言われてどうしてかと聞くと

「鮎坂さん?はきっと気を遣われてるーとかしずくが嫌になったーとか色々考えると思うなー」

と言われてまたも事の重大さに気付く。


「勝手な解釈で、、、」

鮎坂さんが言っていた事を思い出す。もしかしたら鮎坂さんは僕が自分から離れていったと思うかもしれない。

そう思った途端に今日お昼を一緒に食べなかった事を後悔していた。


僕は何か言わなきゃと思いながらスマホを手に取り、鮎坂さんとのトークを開く。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る