第4話

2日目と言うこともあってまだクラスの雰囲気に違和感を感じながら今日も1日が始まる。

それぞれの授業のほとんどは1年間の授業の説明や教材についてなどの確認が行われ、中には近くの席の人と自己紹介をしたりする授業もあった。


隣の席に座る野球部の進藤和馬くんとも少し仲良くなり、部活が引退に近付いていることなど野球の話をたくさんしてくれた。

進藤くんは見てすぐ野球部とわかるそれで、体つきも良く肌も焼けており当然の如く坊主頭だった。


近くの席という事もあって鮎坂さんと喋る事も多く、自己紹介の内容に沿ってお互いに趣味などの話をした。

鮎坂さんは正直話せば話すほど明るく元気な印象しかなく後のことはよくわからなかった。インドアと言いながら好きな場所は海だったり、友達が少ないと印象からは想像をつかない事を言ったりしていた。

中でも海への好きという想いは話していてもすごく伝わってきて、どうやら小さい頃に家族で行った海が綺麗で感動したらしい。


昼休みになり、母さんが作ってくれた弁当を机に広げて食べようとする。

別に友達がいないわけでもなければ、1人で食べたいわけでもなく何となく今日は自分の机で食べることにしただけだった。

「いつも1人で食べてるの?一緒に食べようよ!」

忘れていた、今目の前で声をかけてくれている鮎坂さんは普通に声をかけてくる人だった。

何となく友達がいない可哀想なやつだと思われた気がしてイラッとして「別にいつもじゃない」と不意に口に出してしまう。

僕なりの抵抗のつもりで放った言葉だったのに、鮎坂さんは気にせず「なら今日は一緒に食べよ!」と言って一緒に食べることが決まってしまう。

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