第32話 技の取得
正直もう少しやりたかったところだけど、
そもそもが初顔合わせの挨拶ということで、
出向いたので今日はこの辺でということで、稽古はこれで終わりになった。
千春いわくお姉さんの葵は、もっと何倍も強いとの事だった。
葵さんとも少しお手合わせしたかったけど、
この先そういう機会もまたあるからとのことで、少し談笑しながらもこの京都訪問を終えた。
「水城はん、ほななぁ~」
「では、ありがとうございました。」
「ほら千春も」
「ほなぁ~」
「水城はん、堪忍なぁ~」
少し話しただけど葵さんは物腰やわらかな印象でとても強いようには、見えないけどあの千春が言うんだから強いのであろう。
(京都弁の女の子っていいなぁ・・・なんかほんわかしてて・・・)
でもみんなそれぞれ、技術というか技も持っててすごいなぁ・・・
俺もなんか技を習得しないとな・・・
アジトに戻った俺は白雷さんにすこし技を見せてほしいとお願いした。
白雷さんの得意とする超スピードから繰り出される抜刀術による斬撃飛ばしを見せてもらったが、これはさすがに習得は出来ない。
次に白雷さんの名前にも由来する、雷撃。
ブゥーンと言う音とともに白雷さんの手足がぶれて見える。
それとともにバチバチと体に帯電していくのが分かる。
それを斬撃に乗せて飛ばして防御しても雷撃は食らうという
恐るべし技だった。
「よく目を凝らしてみろ、お前にもこの帯電は習得可能だ。」
ー視力向上ー
ータイムアクセル発動ー
これで常人の動きはスローだが白雷さんの動きはこれでも捉えるのがやっとの動きだった。
白雷さんのその動きは、表現するならその場ダッシュだった・・・
白雷さんの服も特殊に帯電しやすい生地を使ってるという。
見よう見まねでやってみた。
「もっと早くだ!」
ータイムアクセルMaxー
ースピード超向上ー
ようやくバチバチと帯電してくるのが分かった。
白雷さんすげーなタイムアクセルなしでこのスピード出せるのか・・・
「ようし、それを維持しろ・・・」
バリバリと伝わる帯電の感触・・・
「よし渾身のストレートを放て!」
バチバチと放たれる稲妻に俺は身震いした。
「やりゃーできんじゃねーか。」
「ありがとうございます!」
「よし俺がその技の名前を付けてやろう、ライトニングジョルトだ!」
「かっこいい名前ありがとうございます。」
「今の感覚を忘れないように練習しろ!」
「はい!」
常人の眼では捉えきれないほどの速度のその場ダッシュによる摩擦エネルギーで帯電し、渾身のストレートで放電。言い換えれば自家発電スタンガンか?自分のその場ダッシュを想像すると思わず笑いがこみ上げてくるが、これが俺の最初の技だった。
後日ミシェルさんに白雷さんと同じ素材で作ったという服をもらった。
発電しやすく耐久に優れているという。
俺は、初めて身に付けたこの技をひたすらに繰り返し精度を上げていった。
もっとはやく!ただひたすらにその場ダッシュを繰り返し威力を高めいかに早く打てるようにと追及していった。
さらには移動しながらも帯電しつつ放てるようになった。
「ライトニングジョルト」いい名前だ白雷さんに感謝しつつもようやくこの技を自分のものにできる段階にまで仕上げると、翔矢は少し自分に自信が付いた気がした。
でも白雷さんがこの技を編み出すためにどれだけの苦労をしたか想像すると感謝の念が沸き起こる。
タイムアクセル無しでこの境地に至るほどの速さを身に付けさらには斬撃に乗せる。
想像を絶する訓練が必要だったと思う。
そう思うと翔矢は白雷さんの所に駆けて行ってた。
「白雷さん、どうにか使いこなせるようになりました。本当にありがとうございます!」
そして深々と白雷さんに頭を下げた。
「おぅ、見せてみろ。」
「はい」
ータイムアクセル発動ー
ースピード向上ー
ブゥーンと翔矢の手足から音がしてブレるとバチバチとすぐに帯電し始めやがてはバリバリと音を立てる。
次の瞬間渾身のストレートを放つとバシューっと拳の先から電撃が放たれた。
「ほぅ、ものになってるじゃねーか。」
「白雷さんのおかげです。本当にありがとうございました!」
「いいって事よ、その調子でがんばれよ」
「はい!」
後日、白雷は、まさかすぐに自分のモノにするとは思ってもなかったらしく、翔矢の才能に末恐ろしさすら感じたと、組織内の者に話していたと言う。
こうして翔矢の第一号の「ライトニンジョルト」は生まれた。
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