組織『白夜』加入編

第26話 未来視!?



 ズザッ・・・・ザッ・・・・ザ・・・



 そこは現代とは思えぬ荒廃した町の中・・・・

至る所で火の手が見え・・・人々が逃げまどい・・・


翔矢の目つきは険しい・・・敵をにらんでいる・・・


必死に何かを叫んでいる・・・・敵と戦う・・・


一体何と戦っているんだ・・・・軍人?・・・・


すべての軍人をなぎ倒し・・・立ち尽くす翔矢・・・


何かを手に持っているな・・・白いスカーフ?・・・



ザァ・・・ザッ・・・・・ザ・・・・



~~~~~・~~~~~・~~~~~~~



「翔ちゃ~オパヨ~~!」


「あぁ、あっちゃん、おはよう」


「さぁ今日もとっくぅ~ん」


何かリアルな夢を見てた気がするが・・・

思い出せない・・・・


 俺は「白夜」に入った。

まずは徹底的に異能者についての知識を叩き込まれた。まずは気を付けないといけないのはサイキッカーの催眠や精神支配系サイキッカーの中には視野に入れるだけで人を意のままに操ることができる力を持つ者がいるという。これらに抵抗するには、

1・抵抗できるだけの精神力を身に着けるレジスト力と言うそうだ。

2・視界を遮るかその視野に収まらないようにする。


他にも気を付けないといけないのは山ほどあるが、まずはレジストできる精神力をつける事。


その精神修業がまたきつい・・・


火あぶりに・・・氷風呂に・・・・


肉体を支配するのは精神!

いつの戦時時代の特訓ですかああああ!


一番きついのが真っ暗の部屋で一歩も動かずじっと立ってるだけの・・・

拷問・・・・少しでも動いたらどんどん時間が伸びて出られなくなる。


かあさん助けて前の世界に戻りたいぃいいいい!


そしてある時は、己の限界を突破しろとガイや白雷にボコられる・・・


俺は弱いのか・・・


少しは自身のあった俺のスピードが・・・全部読まれてる。


異世界の異能者パネェ・・・・


ガイは元軍人で特殊工作員の超エリートだったという。

ある身内から策略で大事な任務を失敗し、その責任を負い退役したという。


ガイいわく己の慢心が招いた油断だそうだ。


慢心で己の力もわきまえず飛び込む戦士は早死にするという。

戦士は臆病なくらいでちょうどいいという。


臆病者は、警戒を怠らない、常に対策を考え行動するという。


言いたいことはなんとなくわかる。


俺は慢心していたのだろうか・・



もう心は・・・折れない!

何度だって立ち上がってやる!


心だけは折れない!


いつだって前に向って!


倒れるなら前のめりだ・・・・


今日もまた前のめりでぶっ倒れる。



「翔ちゃ~ん、だいじょうびぃ?いたいのいたいのとんでちょー」


「あぁ・・・また気を失ったか・・・」


「翔ちゃんのために、かふぃぃ入れてきたげるねぇー」


「気が付いたか水城君。」


「あぁ・・すみません・・ガイさん、俺って弱いですかね・・・」


「弱くはないぞ。まだ強さの伸びしろは無限だ。」


「あっちゃんも特訓したんですか?」


「あいつは必要なかった。羅刹の国で生き延びた少女だ。」


「羅刹の国・・・」

なんか凄そう・・・・どこかの異国だろうか。


「そういえばあっちゃんが必殺技を持ってると言ってけど?」


「それは本人から教えてもらうんだな。」




~~~~~~・~~~~・~~~~




 それは、誰かがあっちゃんが一日のごほうびに冷蔵庫にいれてあるプリンを勝手に食べてしまった時の出来事。


「あちしのプリン食べたのだれ・・・」


「ま・・まて、おちつけって・・・・」


その反応を見たあっちゃんが白雷をじとーっとした視線で見ながら一歩歩みを寄せる。

あの白雷ですら焦っている・・・

いつものあっちゃんワールドの雰囲気では無かった。


「人のものを勝手に食べちゃいけないんだよ・・・・それもあちしが大事に楽しみとして取って置いてる物を・・・」


「すまん、今度買ってくるから・・・」


「あちしの存在を忘れてるって事だよね・・・・それが悲しいの・・・」


「忘れてないから!落ち着けって!」


「あちしの力を忘れてるなら、みんなの記憶に残るように・・・しっかりと・・・・」


まるでゴゴゴォォと言う効果音が聞こえて来そうな勢いであっちゃんの表情が一変して行く。そしてあっちゃんがスゥーっと息を静かに吸い込む・・・




「全員伏せて耳を塞げ!」




「ウウワワアアアアアアアアアアアア!!」




そうあっちゃんの力の一つが声の大きさ!あっちゃんの前方120度の射角でそれをまともに受けたものは無事ではいられない・・・・


皆さんが知ってる音で一番大きな音は何だろうか、一度は耳にした事があるであろう音で飛行機のジェットエンジンの爆音があるが、あれがおよそ140dBであるというが、あっちゃんの声は1000dBを超え計測不能といわれている・・・・




せまい室内でやられるとそれは想像を絶する恐ろしさ・・・・

照明、モニター、窓、食器・・・・すべてが粉々で何かの爆発物でも破裂したのかという有様・・・・


 それからしばらくしてあっちゃん専用の冷蔵庫が設置され、それに触れるのはあっちゃん以外タブーとなったのは言うまでもない・・・





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