第25話 出逢いあれば別れあり
そして俺は「白夜」のアジトにいる。
「ようこそ「白夜」へ水城君」
「ガイさんよろしくお願いします。」
「とりあえずカタはついたのかな?」
「はい何とか話はつけました。」
「油断はするなよ、あいつらはきっと君に接触してくる。」
ガイさんが言うには、藤代という男は「黒衣」という異能集団を傘下に配置してあり、名のある異能者には、とことんスカウトかけてくるという。
このような狂った世界だ。異能者はなにかと利用されるということだろうか。
「まずは、特訓だな。これから一か月みっちりとしごいてやる。」
「お願いします!」
「最低限の力の会得と技術と知識これをみっちり叩き込むが覚悟はあるんだな?」
「覚悟はあります!」
そうだ俺はまだ異能者について何も知らないに等しい、力の会得もまだ全然だし、他にどんな力を持ってる人がいるのかも全く知らない。
先ほどの戦闘では、勝てたが運が良かったのかもしれない。
たまたま相手との相性が良かったのかも・・・
~~~~~・~~~~~・~~~~~~~
あっちゃんは、あきなの所に行き無事に俺が話をつけたことを報告してくれた。
あきなは、俺の身の心配をしてくれてたみたいだが、かすり傷一つ無い事を伝えてくれて安心してくれたようだ。
「それで、水城さんはどこへ?」
「なんだかね、別のボディーガードの依頼を受けたからとかいってたよぉ」
「戻らないんですね・・・・」
「それでお手紙をわたしてほしいって。」
「・・・・・」
あきなは、震える手でそれを受け取った。
そしてあっちゃんに少しまっててと手紙を書いて、
気丈にも俺の荷物を纏めてあっちゃんに預けてくれた。
そしてあきなは俺がいなくなった俺の部屋で手紙を開いた。
~~~~あきなちゃんへ~~~~~
まずは、挨拶なしで部屋をでることになってごめん。
本当は帰ってくるつもりだったんだけど急に別件が入っちゃって。
ボディガードの仕事は全うしたから、あきなちゃんは安心して生活を送れるよ。
本当はこっちの世界に来てまだ間もない頃だったんだ。
誰にも関わらないように心を閉ざして生きようとおもってた。
そしてあきなちゃんに出会った。
陽の光がさしたようだったなぁ・・・
凍り付きかけた俺の心を、また人のぬくもりで包んでくれた。
短い間だったけどとても楽しく、そして暖かかったです。
これからは、体に気を付けて早くいい人を見つけてお幸せになってください。
本当にありがとうございました。
水城翔矢
追伸 あなたの笑顔が大好きでした。
~~~
そしてあきなは優しく微笑みながら涙を流した。
「水城さんらしい・・・」
~~~~~・「白夜」アジト・~~~~~~~
「翔ちゃん、言われたとおりやってきてあげたよぉ」
「ありがとう」
「あきなちゃん泣いてたよぉ・・・ほんとにあれで良かったの?」
「あぁ、これでいい・・・」
あの天真爛漫な笑顔をみると別れが辛い。
決心が鈍るかもしれない。
俺が今から身を投じる場所にはあの暖かさは過ぎたるものだ・・・
ほんの一時焚火で心を温めてもらえただけで十分だ。
人のぬくもりを大切にそっと心の奥にしまい込み・・・
それを糧にこの世界でもっと強くなり
どれだけ涙で曇らす笑顔を救えるかはわからないけど
ここから始めよう。
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