第18話 力のカテゴリー




今までの成り行きを聞いて、じっちゃんならそうするだろうなと納得した翔矢だった。

そんな感慨に思い耽っていた所だった。


「翔よ、己の力についてより知りたいか?」

「うん、知りたい。それとじっちゃんの能力も」

「そうじゃな、まずわしの能力は、簡単に言うと触れたものの異能の力をコピーして使うことができる。」


 そうじっちゃんの能力は触れたものの異能の力を己の力として使うことができるというものだった・・

最初は触れてる間のみコピー可能だったのが、研鑽により触れた後1分2分・・・と行使できる時間を延ばして今では使える能力によってばらつきはあるものの約一時間コピーした能力を己の力として行使できるようになったのだという。


それゆえにいろんな能力をコピーして体験してるのでいろんな能力について詳しいのだという。


「んで、マスターの見立てで、お孫さんの能力はいかがでした。」


「うむ、無限の可能性があるのがわかったのぅ」


「やはりタイムアクセラレーター?」


「それも持っておる・・・」


「まさかハイブリット!」


「ガイよお主は、パワーアクセルとスキンアクセルのハイブリットだったよのぅ」


「翔のは、タイムアクセルとしいて言うならば・・・フルボディアクセルじゃ」


「・・・フルボディ・・・そんな能力が・・・」


「フォフォ・・わしも初めて体感した、そうとしか言えん能力だったわい」


 何やら聞いたこともない言葉が飛び交ってて結局どういうことなのよ・・・

そこでガイが、わかりやすく異能のカテゴリーを教えてくれた。

まずは自身の身体能力や五感を数倍~数十倍に高めるアクセラレーターという能力

その能力を持つ異能者はほとんどが高められる能力は一種類らしい、あのものは聴力に特化あるものはスピードに特化。その中でも複数の解放が可能な者をハイブリットと呼ぶ。

そしてそれらの身体能力を高め研鑽し特殊な技を使うことができるようになる者もいるという。


そして二つ目の大きな枠としてサイキッカー、これはいわゆる昔からTVや映画の世界でしかなかった超能力と呼ばれる種類で己の身体能力よりも主にその場の状況を利用し、環境等に影響を与える力


そしてそのどちらにも当てはまらない少数派の特殊にカテゴリー分けされるという。

じっちゃんのコピーも特殊な異能力だった。


いよいよ・・俺の能力についての分析結果を告げられた・・・


まずはタイムアクセラレーターというのも特殊の部類に入りこれは己の周りのごく狭いフィールドのみ時間の速度を操れるという物の様で、その使い手は昔一人いたが今はおそらく俺のみであろうとのことだった。

己のフィールドの時間を早めることによって周りがスローに見えるようになり自身も早く動けるのだという。まさに俺のみ早送り再生と簡単に説明してくれた・・・

ここに来た時の状況がまさにそれだった・・・


そしてフルボディアクセラレーター略してアクセルというらしいが、俺の場合は引き出したいと自信が願えばパワーでもスピードでもそれらに限らず五感さえも自由に増加できるだろうとのことだった。


ただしかなりの修練が必要になるだろうとの事


まずは、依り代なしで能力のオンオフと比較的開放しやすいパワーとスピードこれに絞って修練した方がいいだろうとの事。

俺は腕時計の力かと思い込んでたが、この瞬間から世界が変わって見えるような錯覚を感じた。


人は既成概念にとらわれると、それを打破するのが難しくなるという。

能力の解放とはまずは己を受け入れることだという・・・

力を引き出そうとするのではなく、その力がもとからの己の力なんだと疑う余地も無く信じることからはじまり、瞬きや呼吸のような当たり前の感覚までもっていくとこから始まるという。


「少し修練場で手ほどきをしようか」

「お願いします!」


俺はガイに続いて外に出るそして広い芝生の広がる公園のようなところに来た。

ガイは手のひらに収まるほどの石ころを持ってきて、それを俺に放った。


「その石ころを握りつぶせるか?」


俺は手に力を思いっきり入れてみる。


「・・・・・・」


「それが既成概念だ。石は硬くて握りつぶせるものじゃないよな、ちょっとかせ」

俺は石をガイに投げ返す


「この手にあるものは砂だ・・・ペキペキペキペキ・・・」

そして開かれたガイの手のひらから砂が風に乗って舞い散る・・・


「今この大地が全力で大地なごとく、

 そこの木が今、全力で木であることを疑わないがごとく、己を信じよ。」


俺は静かに目を瞑った、この世界はゆっくりとした世界であることが普通であると信じる・・・

目を開ける・・・まだだ・・・目を閉じる

信じる・・・・その世界が普通なんだと・・・


風の音が止まった・・・・


目を開けるとそこにはゆっくりと風に揺られる葉っぱが見える・・・


「はああああああああいいいいいいいいっっっったたたたたああああかかかかああああああ」


あぁガイさんの声が壊れたレコードになった。

目を閉じる・・・あける・・・止まんね・・・

目を閉じる・・・あける・・・もどんね・・・


どうするのこれーー




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