第15話 決意



 そして俺は車を下ろされ、何か建物の中に入っていく、これはエレベーターなのか下に下がってる様子を感じる。


「なんだか翔ちゃん、誘拐されたみたいだね。でも安心していわゆる目隠しプレイだよぉ」

「はいはい」

「そんなに緊張しなくていいからね、デリシャスパーチーに行く気持ちでいたらいいよぉ」

「・・・・」



デリシャスパーチーというものが、何かわからないがきっと彼女なりに緊張をほぐしてくれようとしているんだろうっと、翔矢は感じた。


当の本人は緊張してないといえば噓になるが、誘拐された人質ほど怯えてもないし、ある程度腹はくくってきてるので、そこまで緊張してもいなかった。


「あ、そうだこれ意味ないけど没収しとくね、」

「ちょっ・・」

腕時計を取られたが、相手はどうせすべてお見通しなんだろう、腹はくくった。


そしてある一室に通され目隠しを外す許可が出たので、ゆっくりと目を開けた。

そこにはいかにも屈強そうな中年の男性とすらりとしたOL風の美人系のお姉さんと、線の細いパンクでもやってんのかって風貌の青年がいた。

その中の中年の男性が手を出してきた。


「初めまして、俺はガイだ、そしてこっちがミシェルとこっちの男がアウルだ。あーこれはコードネームだが、そう呼んでくれ。よろしくな。」


「あちしは、あっちゃんだよぉ」


「初めまして水城といいます。」


そして、ガイはこの組織について話してくれた。

細かい内容については伏せられたが、大まかには通称夜の番人とも呼ばれてて、主な依頼主は警察だそうで、法で裁けない状況や表にはだせない内容の時に依頼がくるとの事だ。

いわゆる表にでない公安のようなものかと翔矢は思慮した。

もちろんそれ以外でも依頼は来るそうだが、受けるかどうかはマスターの判断らしい。

ガイと呼ばれてる男がマスターかとおもってたが、違うらしい。

悪の組織ではないことが分かり翔矢の覚悟はこの時点でほぼ決まったようなものだった。

翔矢は気になってることを聞いていいものなのか迷った、その事について先方からは何も無いからだったが、来る前から気になって仕方ないので聞くことにした。


「この組織にいるということは皆特殊な力を持っているということなんですか?」

「あーそうだなここにいる連中は何かしら力を持っているな。けど組織の中には普通の人間もいる。」

「たぶん俺の力については、知ってるようなんですけど、どのような力か聞いてもいいですか?」

「そうだな、本来は組織の連中しか仲間の力については絶対教えないんだが俺のなら教えていいぞ。」

「教えてください。」

「俺は単純にパワーだ。それと刀や矢など通さないくらい高質化できる。」

「無敵じゃないですか!?」

「無敵ではないぞ、動きは普通だから、お前みたいなのには相性が悪い。言えば弱点は色々とな。」

「あのー皆さん勘違いしてるかもしれませんが俺の動きが速いのはその時計のおかげなんですけど・・・」

「あー力の制御の依り代にしてるんだな、力を手にした人間が最初に陥りやすい勘違いだ。」

「どういう事ですか?」

「なんといったらいいか、魔法使いが使うスティックのようなもんさ。いわゆる思い込み。」


ガイは俺にわかりやすく説明してくれた。魔法使いがスティックがあれば魔法を使えると思い込み本来それなしでも発動できるのに、それがないと魔法が使えないと思い込むようなものだと。


確かに俺はこの力のオンオフが出来たらいいのになっと常に思ってはいたが、この時計をつけてるときはオンで外したらオフと思い込んでいたという事か。

異能者と呼ばれる人にもそういった依り代でオンオフを切り替える人はいるとのことで、ある程度の修練で自分の力は自由自在にできるとのことだった。


衝撃の事実を突きつけられた気分だった。この人たちは力について真剣にそしてより研鑽してるのが分かった。


そこでガイよりある提案を受ける・・・

「どうだね、君のその力の事について詳しく知りたくはないかね?。ただしうちの組織に入るということが前提だが。」


「詳しく調べるということができるんですか?」

「あーうちのマスターならできる、マスターの能力によって。」

「そんな事ができる能力者がいるということですか・・・」

「マスターはその能力によってあらゆる力に精通してる、どうだね水城君覚悟はできたかね?」


もう俺の覚悟は決まった。この力が何のか早く知りたいしもっと力を使いこなしたい・・・



~~~~~~・~~~~~~~~・~~~~~~~~~~~


次回予告 マスターの衝撃の正体!


全米が泣くかもしれない展開!




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