第14話 力と向き合う。
俺は、先ほどの出来事を思い出しながらこれからの事やこの世界の事について思慮していた。公園のベンチに腰かけたままどのくらいの時間がたったのだろう・・・
この世界には、今まで漫画やゲームでしか見たことのない力をもった人間がいるのだろうか、そしてその力はどの様なものなんだろうか、俺のこの力はこの世界で通用するのか、何のためにこの力を授かったのか、もっと知りたいという興味と少しの興奮と少しの不安そんな思いが頭の中をぐるぐると巡り尽きることが無かった。
(でもこれはゲームなんかじゃねーリアルだ、この狂った世界じゃ一歩間違えれば死だ・・・)
それが翔矢に冷静さを取り戻させた・・・
一旦帰って、あきなともきちんと話し合わないといけないな。
この狂った世界で生き抜くために強くならなくてはいけない、それは精神的にも肉体的にもだ。
気持ちを切り替え辺りを警戒しながら帰路に就く。
あきなの家まで戻り、より一層辺りを意識しながら家にはいる、あきなはまだ起きてないようだったので、これからあきなに話すことを少し頭の中で整理する。
とりあえずざっくりと俺の力の事を話しておくか、それと組織についてもだな。
それとあきなとの今後についても・・・
しばらくそんなことを考えているとあきなが起きてきた。
「おはようございます。」
「おはよう、眠れた?」
「なかなか寝付けなかったけど、一度寝付いたらぐっすりでした。」
「色々あって疲れてたんだろうね。」
「そうですね・・・それで今後の事についてもいろいろと考えまして・・・」
「そっか、そうだね。 俺も同じく俺の力の事や今後について少し話したいと思ってたところ。」
そして、あきなはゆっくりと今後どうしたいか話し始めた。
あきなは最初予想してたことよりも事が大きくなりすぎてることに、不安と俺に対して申し訳なく思ってることを告げた。そして、これ以上は危険なのでここを離れ、一からやり直そうと思ってることを、正直な気持ちで伝えてくれた。
「あきなちゃんの気持ちはわかったよ。けどね、あきなちゃんの安全がしっかり確認できるまでは、ボディーガードは全うするよ。」
それからは、俺の事についてゆっくりとなるべくあきなちゃんが理解できるように話した。実はもともと俺はこの世界の人間じゃないことを話したら、すごいびっくりしてたけど信じてくれた。こっちの世界に来てからほかの人よりすごい早く動けることを話した。それについては、昨晩あきなちゃんも体験してるので疑う余地もなく信じてくれた。
そして今朝、異能の力を持つ人と出会い組織にスカウトされてることも話した。
それについては少し戸惑ってるようだったけど、俺の問題でもあるから俺の信じるようにやった方がいいと思うと言ってくれた。
「私は水城さんを信じてますから。」
そして俺は「白夜」に話を聞きに行くことに決めた。
そして俺は今朝連絡先をもらったあっちゃんに、会いに行くことを告げた。
待ち合わせに指定された場所へ、俺はすぐに向かう事をあきなちゃんに伝え、俺から連絡するまでなるべく外に出ないようにしてもらった。
指定された場所には黒のワゴンが一台とまってた。
横にあっちゃんが立ってて、こっちに気が付くと手をフリフリしてるのですぐわかった。
「ゴスロリあっちゃんにキュンキュンしちゃって、やっぱり来てくれたね、あちしは翔ちゃんを信じてたよぉ」
そして車の後部座席に乗せられ、とりあえず到着するまでは目隠しをするとのこと。
万が一俺が組織に入らない場合アジトの位置を知られるわけにはいかないだろうから、それもすんなり受け入れた。
そして車は進み始めた。
俺自身もこの先もう戻れない何かに進み始めてる気がした、興奮と期待と少しの不安を胸に秘めて・・・
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