第4話 可愛いは罪だろ
きっと面倒に巻き込まれるんだろうな・・・
そう思いながら俺は普通に立ち上がりその男の短刀を普通に奪い、その子をグイっとこっちに引き寄せる。
そしておもいっきり男の腹にヤクザキックかますと、男は後ろに吹き飛んで行き、ゆっくり後ろに転がっていく。
そしてゆっくり立ち上がるとゲロぶちまけながら、化け物でも見たような顔で逃げて行った。
男にしてみれば何されたか分からなかっただろうな。
しかもおれはその可愛い子引き寄せる時におもいっきり乳わしづかみにしてた。ハイ!わざとじゃないけど、だけどこのくらい許されるよね。
そんな事気にも止めず泣きながらその子は俺に言った。
「ありがとうございます、ありがとうございます。」
俺は喋るとあふぉっぽく思われるから、とりあえず親指立てといた。
乳もんで感謝されるってこの世界わるくないな・・・・
そして乳に、いやその可愛い子に名残惜しさを残して、かっこよくその場を立ち去ろうとした時、その可愛い子が真剣な顔して俺の袖をつかんできた。
「お願いがあります、私のボディガードになってください」
「初対面でこんなお願いするのは失礼と思いますが、お金はあります。」
俺は考えた今の何の楽しみもないこの生活とこの乳、いやこの可愛い子との生活どっちとるの?
乳でしょ!乳の、いやその子の真剣なまなざしに負けて俺は親指を立てちゃった。
じいちゃんも言ってたもんな、困ったもんがおったら助けるのが男じゃて!
そうすると思いっきりその子は抱き着いてきて泣きながらも笑顔を見せた、それがもう堪らんかった。
余ほど怖い思いをしたのかその子はなかなか離れなかったが、ゆっくりと冷静さを取り戻した。
「失礼しました、私は本田あきなと言います、よろしくお願いします。あの・・・お名前をお聞きしてもいいですか?」
困ったどうしよう、喋ったらへんな人と思われそう、そうだ、風邪で声が出ない事にしよう、こういう時考える時間だけはたっぷりあるからいいんだよな。
「ごほ・・ごほ・・」
わざとらしく咳ばらいをして風邪で声が出ないふりして筆談する事にした。
バックのペンとメモ帳を取り出し風邪で声が出ないことを書き、
『水城 翔矢よろしく』っと書いた。
「そうだったんですねよろしくお願いします、寡黙な人だとおもってました。」
(まぁ素はそんな感じだけどね・・・)
俺はニコッと微笑み返した(引っ越しで培った営業スマイル)
「とてもお強いんですね、どうやったか全く見えませんでした。」
『一応格闘技やってましたんで。』
ハイ嘘です、格闘技見るのは好きだけど全然やってませんけどね。小さいころにじいちゃんの空手をずっと見ながら鍛えてたからあながち嘘ではないか。
でも今の俺ならこの世界の総合のチャンプでも倒せる気がするから間違っては無いよな。
「そうだったんですね、どうりでお強い。」
『あの男はいったい何者ですか?』
「正直にいいますけど・・・軽蔑しないでくださいね」
そして、あきなは、ゆっくり事情を説明しだした。といっても俺にはかなり元からゆっくりでたまにわからないんですけどー。
どうやら田舎から出て来て銀座でホステスをやってるらしい。
そしてあの男にしつこく誘われて困ってると、ホステスは遊ぶためじゃなくて田舎の入院してる母親のためだと。
そして俺の言う事聞かなければ殺すのなんてわけないんだぞって追いかけて来たらしい。
俺は決めた。騙されているとしてもこの子を守ってやろうと。
「どこにお住まいですか?」
やべどうしよう・・うーん・・そうだ
『俺も田舎から出て来たばかりでネカフェ暮らしです。』
「そうなんですか!うち来ます?部屋一個空いてますけど?」
『あったばかりの男ですよ?』
「大丈夫です、水城さんなら信用できそうです、それに一緒にいてくれたら・・・安心です・・・」
『ではお言葉に甘えてお願いします』
「よかったー今から来ますか?」
別に今の仕事になんの未練もない俺はまた親指立ててゆっくり立ち上がった。
そして歩き始めた。
「身長高いですよね?何かスポーツもやってたんですか?」
『高校の時にラグビーを』
「あーやってそうですね、すごい体格いいし」
そんな話をしながら並んで歩きながら彼女の家に行くことになった。
本田あきなは身長は156くらいだろうか、俺と並んで歩くと30cm近い差があるような感じがした。
小柄だからだろうか、とても可愛らしく思えその天真爛漫な笑顔に惹かれて行くのが分かった。
(まーおっさんの気持ちもちっとは分かるが力ずくってのは大人のやる事じゃないよな・・・)
これなら、もしかして他にもストーカーとか居るかもしれないなと、少し周りを警戒しながら行くことにした。
そうこうしてると彼女の家の前に来てしまった。
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