トーナメントの後始末

『凄まじい激戦を制し、優勝したのはレイト・ムロフシ選手とライトニングビルスター・ガーディアンだぁ!!』

『正に手に汗握る戦いを繰り広げ、魅せてくれたトウマ・ユウキ選手とユニバースイグナイターにも盛大なる拍手を!!』


 優勝はレイト。準優勝はトウマ。

 大会はその結果で幕を閉じた。

 レイトには賞金200万が授与され、更に後日、ライトニングビルスター・ガーディアンはバトル・オブ・ネメシスの新機体として実装されることになった。

 この結果にカタリナは大盛り上がり。婚約者の勝利にテンションが爆上がりしていた。

 一方メルは。


「レイトをあそこまで追い詰めるとは、彼も化け物ですね…………」


 と、トウマの戦い方を見て若干引いていた。

 あれでトウマはのだから、末恐ろしい。

 だが、こうしてトーナメントは終わり。トウマ達は打ち上げということで、近くの結構高めの料理屋に足を運んだ。


「はー、やっぱトウマさんとのPvPは面白いなぁ。マジでたまんない」

「そりゃ俺もだ。あそこまで圧倒してくれるのはレイトくらいだからな。自然と腕も上がるし面白い」

「圧倒って……グラハムスペシャル決め込んでこっちの度肝を抜いてきた人が言う?」

「言うね。ちなみにどうよ、俺のグラハムスペシャル。完璧だろ?」

「マジで完璧。結構練習した?」

「したした。すげーした」


 打ち上げで行われるのは感想戦……によく似た雑談だ。

 戦闘中は互いに殺意マシマシで戦っているが、それでも終わればGGの言葉と共に笑顔。それがネメシスオンラインのランカーだ。

 2人とも、久しぶりに歯ごたえのある敵と接戦を繰り広げられて大分満足している。


「にしても、レイトとあそこまで戦えるって、トウマさん凄いね」

「おう、ありがとな。ホントこいつ昔から強くてなぁ。俺以外だとこの世界でコイツに勝てるの、サラくらいだぜ? しかもサラで1割」

「そうなんだ。じゃあ、レイトがやっぱり最強なの?」

「ぶっち切り。あんたの婚約者、ネメシスでの戦いなら右に出るやつは居ないからな」

「いやいや。トウマさん、あんた僕相手にイグナイターで4割勝ってるじゃん。十分イカれてるよ」

「ラーマナに乗ってた時より機体も腕も強くなってるのにまだ4割ってのが末恐ろしいんだが?」


 食事をしながらカタリナも交えて駄弁る。

 カタリナは婚約者のカッコいい所が見れて満足げだし、トウマもレイトもPvP終わりでテンション高め。

 ついでに言うとカタリナはトウマから婚約者のカッコいい所を聞かされてさらにご満悦。


「……所でメルさんは?」

「ゴミ掃除中だよ、レイト」

「ゴミ……? よく分かんないけど大変みたいだね」

「うん、メルもいつも大変だーって言ってる」


 そしてメルは。

 まぁ、察してください。

 レイトの見た目は喧嘩できるように見えない。そんな男が200万という大金を手にした。そしてコロニーには大会終わりの傭兵やらゴロツキが。しかもそんなレイトは可愛らしい婚約者と一緒。

 つまりそういう事である。

 カタリナも貴族らしく立派に黒くなったのである。

 ちなみにトウマは色々と察した。


「……まぁ、そうだな。レイト、今日はこのままカタリナ様とデートしてきたらどうだ? 臨時収入もあった事だしな」

「それはいい案だけど……いつまでに王都に戻らなきゃいけないんだっけ?」

「明後日の夜だよ。だから、明日もレイトと一緒に居ようかなって」

「なるほどね。なら、ここは俺が払うからさ。レイト、お前カタリナ様を連れてリゾートコロニーでも行ってこいよ。ハイパードライブで送迎してやるから」

「えっ、いいの?」

「おう。なんだったら俺もリゾートコロニーで遊ぶ。なんかティファ達、ちょっと用事が長引いてるっぽいしな。あと、メルさんにも偶の休日って事で奢ってやったらどうだ?」

「そりゃいいね」

「だろ? あっ、当たり前だけど俺の分は俺の分で自腹切るからな?」

「いやいや、ここ払ってくれるんなら奢るよ」

「いいっていいって。その分でカタリナ様にプレゼントでも買ってやれ」

「そこまで言うなら…………あれ? カタリナお嬢様? なんで顔赤くしてるの?」

「急に理想的なデート決まったからじゃね?」


 と、言う事で。

 この後トウマ達はリゾートコロニーへ直行し、セキュリティ面で万全なリゾートコロニーでメルも久々に羽を伸ばし、4人で休暇の楽しんだのであった。



****



 後日。


「……なんかバトル・オブ・ネメシスの運営からユニバースイグナイターを参戦させていいかの直談判が来た」


 どうやらトーナメントの決勝戦は大盛り上がりだったらしく、その煽りを受けてユニバースイグナイターもバトル・オブ・ネメシスに参戦するのであった。

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