決着
後ろを取られての絶体絶命の状況。普通ならこのままチェックメイトの盤面だ。
だが、この程度で終わるレイトではない。
『まだァ！！』
「なぁっ！？」
レイトはディフェンダーウィングを横に向け、ブースターを一気に吹かす。
それと同時に変形を解除。横に回転しながらネメシス形態へと移行し、トウマへとスナイパーキャノンを構えた。
『もらっ──』
「させるか！！ セパレート！！」
『っ、チィッ！！』
グラハムスペシャルの後隙を狩るため、スナイパーキャノンを構えたレイトだったが、それを予期したトウマはセパレートウィング弐式を射出。
そこから放たれるレールガンで狙撃を妨害する。
レールガンの弾を盾で防いだレイトはそれならば、と。
『ディフェンダーウィング！！』
ディフェンダーウィングを飛ばし、セパレートウィング弐式を迎撃する。
ライトニングビルスターを狙うセパレートウィング弐式と、その射線上に割り込むディフェンダーウィング。
ウィング同士はそのまま互いの脳波で宇宙を舞う。
そして、再びユニバースイグナイターとライトニングビルスターは一騎打ちに。
「だったら、こうだぁ！！」
それが始まった瞬間、トウマがユニバースイグナイターを巡航形態に変形させて突っ込む。
その速度にレイトは反応しきれず、突貫をくらってそのまま引き摺られる。
『ぐぅぅ！！？』
「人類が生きるための、って奴だァ！！」
そして、勢いが付いた所でトウマは再びスタンドマニューバ。
それにより急制動をかけ、Gに体を締め付けられながらもミサイルを放つ。
『防ぐッ！！』
そのミサイルをレイトは盾で防ぐが、その爆炎で視界が塞がる。
勝つには、ここで攻めきるしかない。
「沈めぇ！！」
爆炎でこちらが見えていないレイトへ向けて、エネルギーライフルの弾を放つ。
これが当たれば勝てる。
──だが、全一はそこまで甘くはない。
『ガーディアンパックパージ！！ 加速！！』
見えないのならそこから離脱する。
レイトはガーディアンパックをパージし、それを航宙戦闘機の形態へと変形させ射線外へ飛ばす。
それをライトニングビルスターの手で掴ませ、自分も離脱。エネルギーライフルの弾を避けてみせる。
「なっ、急速離脱！！？」
『ドッキングセンサー！！』
再びライトニングビルスターの背中にガーディアンパックが接続される。
『フルブラスト！！』
そしてガーディアンパックの2門のシヴァ、スナイパーキャノン、胸部と肩部のガトリングとミサイルが同時に放たれる。
リーサルとも呼べるその全門斉射。それをトウマは盾でなんとか防ぐものの、爆炎と共に盾が吹っ飛ぶ。
こうなれば、レイトの狙撃を防ぐ手立ては無い。
『決まりだ！！』
故に、レイトはスナイパーキャノンで再び狙う。確実にトウマを落とすために。
そして、トウマが盾を拾う前にスナイパーキャノンが火を吹き。
「まだだ！！」
弾丸を、ユニバースイグナイターのビームセイバーが切り裂いた。
今までレイトの狙撃を受けてきたからこその読み。そして、ここで撃ってくるという確信からのビームセイバーによる斬撃。
それらが全て噛み合った結果、トウマはレイトの射撃をビームセイバーで防いだ。
『斬った！？』
レイトの狙撃を斬り捨てたトウマはそのまま接近する。
これで決める。
「真っ向！！ 唐竹割りィ！！」
『南無三ッ！！』
ユニバースイグナイターの上段斬り。
それをライトニングビルスターは脚部ビームセイバーで斬り払い、もう片足の脚部ビームセイバーを振るう。
その返しの一撃をトウマは避け、再びビームセイバーを振るう。
「勝ったぞッ！！」
その一撃でライトニングビルスターの右脚部が斬り割かれる。
──が、まだ終わりじゃない。
脚部を斬られた程度では、ネメシスは落ちない。
「外された！？」
『そして、こっちの勝ちだぁ！！』
斬撃を外した事による後隙。
それをレイトが見逃す筈もなく、一瞬でスナイパーキャノンの銃口がユニバースイグナイターのコクピットに突き付けられ、火を吹いたのであった。
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