初めての見学⑤
出口に行くとリーダーは車に乗ってエンジンをかけようとしているところだった。
すかさず手裏剣をタイヤ目がけて投げ、パンクさせる。
プシューッという音に気づいたリーダーは
「くそっ」と言いながら焦った様子で狼狽えていた。
そして私は車の上に飛び乗り、足を高く振り上げると次の瞬間、
ガシャーーーーン!!
「うおぉー!!??」
運転席の窓が凄まじい音と共に割れ、リーダーは顔面に蹴りを喰らう。
「くっ…そ…、なんなんだ…?」
リーダーがフラフラになりながら車を降りてきた。
私は車の上からリーダーの肩の上に乗っかると首後ろ目がけて
グサッ----
クナイでブッ刺した後、リーダーを踏み台にしてクナイを引き抜くと血飛沫が噴水の如く出てきた。
「ぐっ…はっ…」
リーダーの意識はまだあるようだ。
(早く殺さないと…)
リーダーの体の近くまでフラフラと歩いて行くと丁度、お祖父様たちが駆けつけた。
「雫!」
お祖父様の声が聞こえた気がしたが全く頭に入ってこない。
私はリーダーを仰向けに蹴飛ばすと無心で心臓をグサグサに刺していた。
何度も何度も何度も何度も何度も----
「おい、雫!やめんか!!雫!」
(はっ…)
気がつくとお祖父様がクナイを持つ私の腕を強く握って止めてくれていた。
力が抜け、クナイを手放す。
周りを見るとそこには一華と、意識を取り戻し仲間に背負われていた将兄がいた。
彼らはまるでバケモノでも見たかのような青ざめた顔をしていた。
それを見て私は、声をかけに行くことができなかった…。
ふと見上げると突然、大雨が降り出した。
この雨が血と共に私の中にある大事なものを洗い流してしまったようだった。
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