初めての見学④

パンッ!パンッ!


--2発の銃声が響き渡った後、ドサッと倒れる音がした。



(そ、そんな…)




なんと将兄が一華を庇っていたのだ。


背中から血を流しながら将兄は一華に話しかける。


「だ、大丈夫か…?一華…」


「将兄!バカ!何やってんのよ!」


「お前は大切な妹だ。守るのは当然だろ…」


将兄はそういうと意識を失ってしまった。


「将兄!起きて!嫌だよ…死なないで!」


一華が大粒の涙を流しながら呼びかける。


その光景を見た私の頭の中は思考がぐちゃぐちゃになっていた。


(将兄が死ぬ…?嫌だ。嫌だ、嫌だ…!

誰のせい?憎い。憎い。憎い…!!)


下を見ると里のみんなが密輸犯たちと戦っている。


そんな中、リーダーが出口へと向かい逃げようとする姿が見えた。


(許せない…ぶっ殺す…!!)


私は今までに感じたことのない怒りを覚え、体が勝手に動き出していた。


リーダーを追うため階段を飛び降りると


ズシャッ、ズシャッ、ズシャッ----


銃を発砲している部下の奴らを流れるようにクナイで切りつけていく。


「ぐはッ…!」


部下たちが体勢をどんどん崩していくがそんなことには目もくれず、リーダーを追いかける----

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る