初めての見学②

----時刻は22時30分。


警視庁の会議室に集められた私たちはこれから押さえに行く海外の密輸犯の情報や人員配置など、細かな確認を行なっていた。


忍びの里からは私や一華を除くと10人ほどが任務に参加するようだ。


当然、お祖父様もその中にはいる。


将兄が周りの大人たちに混じって配置について一生懸命考えて話している様を見ると本当に頼もしい兄だと思う。


それに引き換え…。


隣に座る一華を見るとまだ眠たいのかウトウトとしていた。


おそらく私が見学についてくるのが嬉しくて寝られなかったのだろう。


一華は遠足の前日は毎回楽しみすぎて眠れないタイプだ。


最近はないが、私が小学校に入ったばかりの頃はほぼ毎日のように一緒に学校へ行くのが楽しみだという話しを永遠と聞かされ、私まで寝不足になっていたほどだ。


一華のパワーはすごいのだ。


私が一華をじーっと見ている間に話は進み、会議は無事に終わった。


終わったのを察したのか、一華は目を覚ますと何事もなかったかのように将兄の所へ行って作戦を聞きに行ってしまった。


今回の任務はうまくいくだろうか…。


少しの不安を水と一緒に飲み込むと私はみんなと一緒に目的地へと向かうのだった。

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