雫の任務⑤ ー 最悪の再会

----「くっ…」


中野が目を開けるとそこには雫の姿があった。


雫はくノ一忍者の背後から首元にクナイを突きつけ、もう片方の手でくノ一忍者が首を掴もうと伸ばしている手を掴んで見事に動きを封じ込めていた。


「お前…!何者だ!あたしに触るんじゃねぇよ!」


と くノ一忍者は怒り出した。


その声に雫は一瞬たじろぐ。


(ま、まさか…この人…)


雫が動揺している隙を見てくノ一忍者は雫の手を振り解くと仲間のところへと戻っていった。


この様子を見ていた仲間の忍者が声をかけてきた。


「おい、お前もしかして…雫か?」


「えっ…」


「ほら、俺たちだよ。」


そう言うと忍者たちは頭巾を外し出した。


顔を見た雫は動揺を隠せないでいた。


「将兄、一華、それに秋斗…」


そう、彼らはなんと雫の兄弟たちだったのだ。


「雫、俺たちは今警視庁特殊捜査班として活動しているんだ。その男はとある会社の様々な情報が入った大事なファイルを盗んだやつだ。

俺たちに協力してくれないか?」


突然の提案に頭が真っ白になる雫。


しかし受け入れるわけにはいかない。


そう思った雫は腕時計型ディバイスのスイッチを押した。

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