雫の任務④

グギッ----


リーダーの体が崩れ落ちる。


首はあらぬ方向へと曲がり、即死したと思われた。


雫はポケットからリモコンを取り出すと中野の方へピッとボタンを押す。


すると死んだと思われていた中野の姿が消えたではないか。


中野の死体は実はダミーで、雫が作ったホログラム人形だったのだ。


ダミー人形は空気を入れて使う風船のようなものなので雫でも軽々と持ち上げることができたのだった。


雫はダミー人形を回収するとすぐに本物の中野が隠れている場所へと向かった。



----


 一方その頃、本物の中野はというとコソコソと隠れながら目的の倉庫へと向かっていた。


そして倉庫まで目と鼻の先という所まで来た時だった。


「すみません。あなた、中野 雄二ですよね?」


突然、背後から聞こえた声に中野はドキッと心臓が止まるかと思ったが、声の主を知るためにゆっくりと振り返る。


するとそこにいたのは忍者の格好をした3人の姿だった。


「君たちは…誰ですか?」


中野が聞き返すと3人の忍者の一人が


「俺たちは警視庁特殊捜査班の忍びだ。」


と言い出した。


「本物の忍者が現代にいるわけ…」


中野が言いかけると


「だったら本物かどうか見せてあげるわ。」


と先程とは別の忍者が言葉を遮ってきた。


話し方からして "くノ一" のようだ。


そして中野が瞬きをした瞬間、くノ一忍者は

中野のすぐそばまで来て首を掴もうとしてきた。


あまりにも速すぎて動けない中野は目を閉じる。


すると


----「くっ…」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る