模擬戦その後

店に入ると雨林が食事をしている所だった。


「おぉー、2人ともおかえりなさい。」


「ただいま〜!あ、雨林さんご飯食べてる!

俺も稽古したらお腹すいちゃいました!

何か食べるものありますか?」


「えぇ、ありますよ。今日は炒飯を作ったのですが、たくさん作りすぎてしまったのでよかったら食べてください。」


「わーい!いただきまーす!!」


嬉しそうに食べる真琴を見ながら雨林は思う。


(稽古は上手くいったようですね。これなら仕事もいつかできるでしょう。)


「服部さんはいかがですか?」


「私はいらないので大丈夫です。では、おやすみなさい。」


雫は疲れた様子で階段を上がっていき、部屋に入るとすぐさまベッドへダイブする。


(稽古…上手くいって良かった…。全く、雨林さんは人使いが荒いから嫌だ…。)


雫はベッドの横に飾ってある写真立てを手に取る。


(人を殺すことが怖い…か。私にはわからない。感情がない殺戮マシーンのような私には…。そしてそんな自分が私は怖い…。どうして私だけこんな風になっちゃったんだろう…)


写真には4人の兄弟が仲良く写っていた。


下の店から微かに元気な声が聞こえてくる。


おそらく真琴だろう。


写真立てを元に戻すと雫は深い眠りにつくのであった。



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