第3章 大切で煩わしい家族

思わぬ休暇①

 地下での稽古を終えた次の日。


全身筋肉痛で体が悲鳴を上げながらも喫茶店でバイトをする真琴に雨林が話しかけてきた。


「篠田くんは学校、いつから始まりますか?」


「えーっと明後日に入学式があります。」


「そうですか…。ではもう今日はお客様もいらっしゃらないのであがってもらうとして、明日から1週間ぐらいバイトはお休みにしましょう。筋肉痛を治して、大学生活に慣れてからまたお願いしますね。」


そう言うと雨林は真琴のお腹の辺りをちょんと触る。


「い、痛て!!ユ、雨林さん…!?筋肉痛なの気づいてたんですか?!」


「えぇ、痛そうな顔をしてたのでもしやと思いました。痛い所に湿布でも貼りましょうか?」


「はい…!!お願いします!!あぁ神様、仏様、雨林様〜!!」


雨林の提案に真琴はもう一生ついていきたいと思うほど感激し、その場で雨林に湿布を貼ってもらうのであった。


 真琴は湿布を貼ってもらうと痛い体を引きづりながら急な階段を登って自分の部屋へ行き、ベッドで横になる。


昨日の疲れが取れていなかったのだろう。


真琴はすぐに眠ってしまった。



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