模擬戦③

 


ガシーーンッ!!


真琴の刀は何故か壁を刺していた。


「えっ…」


真琴がふと見上げると雫は高く宙を舞い、真琴の後ろに着地するとすぐさま攻撃を仕掛け--


カチッ


「ブッブー!マコトマケー!」


結果は15連敗となってしまった。


真琴は試合が終わると力が抜け、ドサッとその場に座り込む。


「ハァ、ハァ、ハァ…チキショー!もう少しだったのに〜!」


真琴は初めて模擬戦で悔しいという気持ちを味わったのだった。


「篠田くん、結果は負けてしまったけど最後の試合はとても良かったと思う。」


「雫さん、俺正直誰かを殺すってやったことないからすんごい怖い…。きっとこれからも悩み続けるんだと思う。でもとりあえずは俺自身が生き残るために強くなろうって思うことにするよ。」


「うん…、今はそれでいいと思う。」


真琴の言葉を聞いてそう言った雫の表情は何故か哀しげに見えたが、気のせいだろうと真琴は思った。


今の真琴にはわからないものがきっと雫にはあるのだろう。


真琴と雫は片付けると店へと戻るのであった。

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