裏のバイト①

----1時間ぐらい経っただろうか。


真琴は部屋でテレビを観ながら過ごしていた。


夕日も沈み外の街灯に灯が点る頃、コンコンとドアをノックする音が聞こえた。


「篠田くん、他の仕事を教えますので下に来てください。」


「はい!今行きます!」


真琴はポケットにメモ帳を入れると足早に部屋を出ていった。


 階段を降りると雨林の他にもう1人いる。


フードを被り、マスクをしている為、顔はわからなかったが背が小柄なのでおそらく女の人だろうと真琴は思った。


「篠田くん、紹介します。こちら服部 雫さんです。今日は一緒に仕事をするので先輩の動きをよく見ていてくださいね。」


「雨林さん…先輩はやめてください。」


と冷たい声で返す雫。


「あ、さっき話した…。」


真琴は先程ドアの前で話した子だったのかと気が付く。


しかしドアの前で話した時より格好のせいなのかクールな印象を抱いた。


「では早速、今回の依頼から確認します。」


雨林が話し始める。


「え?雨林さん、依頼って何ですか?」


「あぁ、うちは何でも屋みたいなこともしているんです。先程訪れたお客様は依頼人だったというわけです。」


(なるほど…依頼人だったから俺は外されたってわけか。)


「今回の依頼は松原組の幹部、原田 修造(はらだ しゅうぞう)の口封じです。」


(えっ----)

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