喫茶店でのバイト

階段を降りると雨林がお茶を入れていた。


「おや、篠田くん。どうかされましたか?」


「雨林さん、俺この店でバイトができると伺っていたのでやりたいんですけど、やってもいいですか?」


「はい、大丈夫ですよ。では今日は見学をして仕事の内容を覚えてもらうことにしましょうか。」


笑顔で答えてくれた雨林を見て真琴はホッとする。


「ありがとうございます!俺、人生初バイト

なので至らない所もあるかもしれないけど頑張ります!」


「やる気があることはとても大事です。篠田くんならきっとできますよ。ではまず喫茶店の仕事から説明しますね。」


そう言うと雨林は喫茶店での仕事内容を淡々と話し始めた。


「篠田くんには始めにホールの仕事をお願いしようと思います。やることは簡単。

まずお客様が見えたら『いらっしゃいませ。

お好きな席へどうぞ』とご案内してください。

そして人数分の水とおしぼりを提供し、注文を取る。注文の品を届けてお会計をする、終わったら机の上を片付ける--

とまぁ、一般的な店と変わりません。

今日は見てイメージを掴んでください。」


雨林の説明が終わると1人の客がやってきた。


カランコロン----


「いらっしゃいませ。今日は奥の部屋が空いているのでそちらへ。」


雨林は客を案内する。


「篠田くん、今日はこのお客様で最後ですので店の看板を中に入れてください。後で他の仕事も教えますのでしばらくは部屋で待機していてください。終わったら呼びに行きます。」


急な対応に驚く真琴であったがとても大事な客なのだろうと思い、看板を入れるため外へと出ていった。

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