2. 箱の外




 目をやく光。




 そのまぶしさに、おもわず体をうごかして、そのまま箱のなかへとまたくずれ落ちる。

 外の世界には“上”と“下”というものがあることを思いだした。




 光さしてくる“上”へと首をあげてみる。


 光るところと、箱のなかと変わらないような暗いところが混ざりあって。

 それほど明るいわけでもないのかもと感じた。


 光はほとんど一色だけのおなじ色で、見つめていると心臓の動きがすこし早くなる。


 ――― ああ、これは“赤”っていう“色”だったって、思いだした。




“下”には、これまでわたしだった、箱。


 まわりには砂がもりあがってる。その向こうには、赤い光に照らされて、果てしなく砂ばかり。




“上”と“下”のあいだへと首をうごかす。


 そこには“人”が立っていた。

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