第2話「つらかくし」

「愚者ですね」

「リラックスしてるんだ」

「休むのは、寝るときだけで十分ですよ」

「見上げた活動家だな」

「生きる以上、時間を重んじる必要がありますからね」

「君は生に囚われ過ぎだ」

「では、あなたは何だと?」

「私は、風のままに意を表すのみ、大義名分など要らない」

「自身を磨かないなど、命を台無しにするだけです」

「だが、下を向いて強くなれるのもまた人だと思うがね」

「そうやって、妥協を美化して、面を隠すのも、何かと思いますがね」

「誰もが世界に宛てた一言を持っている、それがそれに過ぎないのさ」

「それでは地獄行きを応援してます」

「また可愛げのない、エールだな」

「返答されるだけ、孤独ではないですよ」

「君には私がどう映ってるんだ」

「乱世の主犯格ですかね」

「また、言い切ったな」

「すみません、優しすぎましたね」

「いや、過言だと思うのだが」

「いえ、行く行くは、神も立ち退く存在になると予見してるので」

「買い被りというか、ただの悪口だよな」

「まさか、言葉を見抜かれるとは」

「いや、それも悪口と同義だよな」

「自覚がなくては、知る由もない。自覚あったんですね」

「お前、言葉選びは上手いが、悲しませないでくれ」

「褒めても何も出ないですよ」

「そっちのほうが安心するかもな・・・」

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