雨、淡々と、蒼々と。

小雨未汽

第1話「じゃれあい」

「朝ですよ、起きて下さい」

「なんだそれは義務か?」

「いえ、しかしポメラニアンのソテーを食べ損ねますよ」

「なんだと・・・犬を絞めたのか・・・」

「はい。ボールの代わりに手榴弾を取りに行かせて、爆死させました」

「なかなかサイコパスだな・・・」

「爆発は芸術ですからね」

「それ意味合ってるのか?」

「合ってます」

「言いきっちゃたよ・・・」

「茶目っ気は、若さの秘訣ですよ」

「そうか、では、座布団1枚!」

「恥知らずですね」

「いやいやそれはないだろ!!」

「急いては事を仕損じる」

「どういう当て付けだそれ?」

「脳が出来上がってから話さないと伝わりませんよ」

「酷すぎるだろ!!!」

「何を言いますか、まだ赤ん坊でしょ」

「違うわい!」

「じゃあまさか、プランクトンでしたか」

「人ですらない・・・」

「安心してください、私は味方ですから」

「そうか、なんか分からないが嬉しいよ」

「手名付けるのが楽でいいですね」

「お前、やっぱ、敵だな」

「バレましたか」

「いやそこは隠し通してくれよ」

「優しさは人を傷つけますから、いっそ真実を与えたんです」

「どちらにせよ、傷つく運命なのか俺は・・・」

「修羅ほど男は建つんですよ」

「おお、そうか」

「まぁ聞こえがいいだけの言葉ですがね」

「お前って、ほんと余計な事いうよな・・・」

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