関係ないのかな?
死刑確定からの再審が通った心境で待つこと1時間、流石に長くないかと思いながらもいきなり攻められる恐怖は拭えず玄関で待ち続ける侯爵家一同。その間にジョストン伯爵家の家紋入り時計を持たされ、ジョストン家の家紋が入った剣をそばに持つエドワが武装と解かずに控えている。
「ジョストン伯爵家の家紋とジョストン家の家紋って何が違うんだ?」
「外枠にツタがついてその下に黒い四角、帝国旗の意匠があるのが当主と伴侶と直系の子供が使える家紋です。ないのが一族の証程度の家紋です。つまり前者が伯爵家の家紋で後者がただの家紋です。同じ名前の子爵位も持っているので区別するためですね。一族であっても遠い関係の人間が伯爵家の人間だと名乗ったら知らない人間は多少は怯むでしょう?だから区別のためですよ。無体を働いたら殴り倒して突き出せばいいですがギリギリのラインで貴族だしまぁいいかとっとと帰ってもらおうというところをついてくる輩もいましてね……」
「なるほど、勉強になったよ」
「どうせ貴族学院で学びますよ。まぁ平民たちはまっさきに教えられますけど」
貴族期待されてねぇな……なんだそのお土産やるから帰れみたいな対応は。無体働いたら貴族相手でも戦えるあたりきっちりしているわ。楽かもしれんが平民に生まれたほうがもっと楽だったんじゃないかこれ?平民のほうが学ぶことが多いと言うか、早いと言うか……明確に平民主導にしたい感じはある。
「ちなみに侯爵家となるとどうなる?」
「ツタの意匠が増えます、公爵家もそうですね。大公家だとツタがありません。帝国旗が家紋の下にあるだけです。皇家はそもそも帝国旗です」
「なるほどなぁ……平民はどれくらいから勉強を始めるんだ?」
「5歳くらいですかね、能力があれば領都学校や州都学校、帝都学校にいけます。専門分野なら帝都専門学校ですね。帝都専門学校は最高峰なので何でも学べますよ」
「貴族は……?」
「貴族学院出て能力があれば専門学科を学びます。場所は帝都専門学校ですね」
じゃあ平民がたどり着いた先に貴族は選ばれてようやく入れるわけか。ここに入れるかどうかですべてが決まるんだな。
「なるほどなぁ、5歳で入学した後はどうやって帝都学校域などが決まるのだ?」
「1年で推薦される方もいれば5年で出されたり10年で出される方もいますよ。学ぶことがなくなたら卒業という形式なので年齢はまちまちですね。推薦で領都学校に行った後から帝都学校、そこから帝都専門学校に飛ぶ方もいますよ」
「アランはどうだった?」
「忘れましたね……5年はいなかったはずですが領都学校から帝都専門学校だったことは覚えています。えーと……2,3年はいましたかね」
「……それは早いのか?」
「早ければいいというものでもありませんよ。学ぶことが無くなったら卒業ということは学べないことは学ばず出ていく事でもあるので……私がいた時は10年休学してた人がいましたけどある日来たと思ったら新しい分野の活躍を持ってきて無事卒業しました」
「なるほどな……貴族学院はどうなのだ?」
「5年で卒業して専門学科は終われば卒業です。やる気がなければ放校もあります」
「貴族は休学できないのか」
「するようなら入らなければいいのでは?」
あれ?10年休学してた人いるんだよね?貴族もそれで大成するかもしれなくない?最低限の訓練で出兵される感じ?戦時昇進で士官教育大雑把にやって部隊任される隊長みたいだね。入っても安泰じゃ成さすぎないか?そこ正式にいかずに能力十分で教師やれた兄貴やっぱすげぇ……あっちが主人公だろ。
「頑張らねばならんな……」
「別に貴族は学歴が全てでもないですしいいのでは?」
「できる限りはやっておいた方がいいだろう」
学歴以外何も誇れないからだよ、俺にできることはないんだよ!せめて専門分野で何か学ばんと俺は終わる。まぁ現状はトーチャ副団長がいやぁやっぱ殺すことにしましたと血まみれの大剣を持って押し入ってくる可能性もあるんだけどさ。
「失礼いたします!カルマン国土局長からの先触れで参りました!午後にお会いしたいとのことですが何か、いえ何がありました!?」
「午後ですか?視察で出発するのは局長のご指示では?何かというと……?どれですかね……」
「えっ?いいえ!今日出発なさるのですか!?何と言われれば現状です!何故や屋敷が包囲されているのです!?なぜ武装を!?一体何が?」
「今日ならトーチャ副団長が馬車を用立てていただけると。武装は副団長が来るので礼儀で一応程度で」
「ならばなぜ侯爵邸が帝都騎士団と帝国軍に包囲されているのですか!」
「こちらが聞きたいのですが……」
「……すぐに戻ります!」
あれ?使者の人もなんか困惑してるぞ。アランも言い返してたけど困惑してるな。あれこれって暴走?兄弟不仲説の方かな?
あっ、先触れの使者の人が大慌てで別方面に向かっていく……何か怒鳴ってるぞ。午後からと言うから王城で仕事をしてるのかと思ったけどあの方向は違うな、貴族街の通りの方だ。屋敷にいるのかな?カルマンさんって貴族だっけ?
「ま、とにかく殺されることは多分ないかもな」
「えぇ……まぁ……そうですが……肝が太いですね、正直引いてます」
「いや、だって……ここから攻められて勝てるか?堂々としていたほうがいいだろう」
「それはそうですが……」
いま戦略ゲームが本命でやってるから暗殺イベントで死なんだろ、ここまで勝手にいうまくいくならきっとお膳立ての時期だよ。嘘だよ信じてない。でも醜態さらしたらもう用済みだって見放されそうじゃん!内心慌てててもすました顔をするのは前世のアドバンテージだ、悪くなくても申し訳無さそうな顔で謝るのもだな。いらんわこんな能力!
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