第1話「死にたい私」
「あー、死ななきゃ」
口の中でその言葉を飲み込んで、教科書の次の
「……死ななきゃ、死ななきゃ、死ななきゃ」
頭の中で何度も
自分を洗脳するのは難しいもので、思い込んでも簡単にはスイッチすることはできない。元より(親のせいで)感情が顔に出にくい
「――――」
授業終わりのチャイムが鳴った。6時間目なので、これが終わればホームルームで、その後部活動か下校、あるいは学校に残って勉強である。尋常でないくらいに勉強が出来て、その上運動や楽器、芸術面も全国区という人がゴロゴロいる。羨ましい妬ましいという気持ちを心の中に押し込めて、代わりに机の中から復習で使う教科書を取り出した。その人たちは努力してきたその人たちは努力してきたその人たちは努力してきた。よし、オッケー。そのままホームルームを終えて、そのまま帰る。部活なんてするものか。私に話しかける人はいない。そして家に帰っても、私は誰とも話さない。学校近くのアパートに下宿しているのだ。全国区の進学校だからか、意外とそういう人は多い。そういう友達は、いない。辛い時に一人でいる方が、死にたい気持ちが加速するからだ。一人で黙っていれば、早く死ねる。今日は死ねなかったというだけで。帰路につく。一応学校の敷地の近くに寮があるけれど、そこに通うのは許されなかった。費用は出してやるからセキュリティの高いところに住め、との方針である。学校まで徒歩で十分。近くもないが遠くもない。駅とは逆方向なので、必然的に一人になる。歩道はちゃんとあるけれど、人通りの少ない道だ。ああ。誰か殺してくれないかな。誘拐。拉致。監禁。通り魔。あるいは、車で一思いに
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