拾話 「プロポーズ?」
布袋先輩に惹かれ始めていると気付いてから。布袋先輩からの連絡が二週間と少し、パタリと無くなりました。
あれれ?
気にしていない様で、気になり始めた或日の夜。
久々に布袋先輩から着信があり、「もしもし」と出ると、「あ、もしもし、彩緒さんですか…?」いつに無い遠慮がちな反応。
ふざけてるのかと思いましたが、長期の演習から帰って来て洗濯を始めた所、スマホも一緒に洗濯。
焦って駆け込みで機種変更をし、データが全てない状態で電話をかけてきたとのことでした。
「良かった!又、連絡とれたー!」
と、無邪気にハイテンション気味。
何故電話番号を覚えていたかと言うと、或日の電話で、子供の頃は友達の家の電話番号とか何件も覚えていたのに、今は自分の番号だけで限界いう話から、「お互いの番号を覚える」という、アホみたいなミッションを遂行中だったのです。
ですが、そんなアホみたいなミッションは、意外な所で、本当に役に立ちました。
そして月日は流れ。
いつもの様に電話で話している時に、布袋先輩は、又、私を好きだと言ってくれました。
この時は素直に嬉しく、「じゃあ、付き合っちゃえば良いね」と、返事をしてみました。
すると、「こんなに離れてるのに、付き合うとか無いでしょ!」と、明るく笑いながら、予想外の返答。
え?今、私、振られたの?
人生で初めて振られたんだけど…
え?好きって言ってたけど、どういう事?
と、軽く落ち込んだ数日後。
「遠距離で付き合うとかは、無いと思う」
と、先輩は又その話をほじくり返してきました。
いや、蒸し返して、何回も振らなくて良いから、と思った時――
「俺、挨拶に行くから、結婚したら良いと思う」
……え?今、何て言った?
布袋先輩は突然、プロポーズ?砲撃を仕掛けて来たのです。
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